2021-06

2019・11・29(金)トマーシュ・ネトピル指揮読売日本交響楽団

      サントリーホール 7時

 こちらは定期とあって、物凄い(?)プログラム━━モーツァルトの「皇帝ティートの慈悲」序曲、リゲティの「無伴奏チェロ・ソナタ」と「チェロ協奏曲」(チェロのソロはジャン=ギアン・ケラス)、第2部にスークの「アスラエル交響曲」。
 ゲスト・コンサートマスターは白井圭。

 オーケストラの定期演奏会のプログラムの中に無伴奏の作品と演奏を入れるというのは珍しいやり方だが、先頃ジョナサン・ノットと東響も似たようなことをやっていたから、最近の秘かな新手の流行アイディアなのかしらん。次の作品との有機的関連を示し、作曲家の肖像を多角的に描くという観点からすれば、そう悪いアイディアではない。もっとも、オケの側が、プログラムの足りぬ分はソリストにやってもらって━━ということであればチトずるいけれども。

 それにしても、ジャン=ギアン・ケラスのリゲティは、流石に聴きものだ。ソロでもコンチェルトでも、ピンと張りつめた凝縮力に富む演奏で、リゲティの陰翳を私たちに突きつけて来る。アンコールでの、バッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」からの「サラバンド」が、これもまた圧巻だった。

 後半のスークの「アスラエル」は滅多に聴けぬ曲だが、ここではネトピルと読響が本領発揮の快演を繰り広げてくれた。
 この物々しい、長大な交響曲の裡に備わる雄弁な語り口、多彩な表情は、やはりナマで聴いた方が面白く味わえる。今日の演奏はいっそう物々しく剛直で、巌のような力強さに満ちていて、この曲をこれほどスリリングに聴けたのは私にとって初めての体験であった。

 ネトピル、今回の2つの演奏会では、その最も得意とする、絶対失敗しないレパートリーで日本の聴衆に己が存在を主張して見せた。あの「さまよえるオランダ人」からちょうど7年、かくて「救済は実現された」。

コメント

お疲れ様です。 久々にコメントさせて下さいませ。  東条殿の仰る通り本当に「物凄い」プログラムで(数年に一度聴けるか…くらいの!)、演奏も「物凄い」モノになりました。  私もノット/東京響を想い出しました。あの100台のメトロノームが1台ずつ止まっていくリゲティの曲からアックスのブラームスのソロアンコール(涙…)があって、最後ショスタコーヴィチ15番で終わる……あの。 あの時と同じ、この日も強烈に“死の香り“のする一夜でした。 「アスラエル」は曲にまつわるエピソードが好きで以前からK・ペトレンコ、マッケラスのCDで愛聴しているのですが、生は実は今回が初めてで…。ホントーに聴いて好かった……。 ネトピル、本領発揮…デスね。こんなイイ指揮者だったのか! 初共演とは信じがたい…これなら次も大いに期待出来ます。是非ともまた呼んでいただきたいです。オーソドックスなドボルザークもイイですが、今度は「グラゴル・ミサ」を!(いずれチェコ・フィルの首席指揮者にならないかねぇ)   あと、「アスラエル」を聴きながら思ったのですが、これ、ウィーン・フィルの演奏でも聴いてみたいな……と。ピッタリだと思いませんか? 実はペーター・シュナイダー指揮で過去に演奏されてるんですがね…。日本ではムリかもしれませんが微かな希望を胸に……。 

ネトピル

ネトピルと読響の相性はとてもよさそうですね。今後の実りある関係を願います。

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