2020-04

2019・11・21(木)東京二期会 オッフェンバック:「天国と地獄」

    日生劇場  6時30分

 東京二期会が「天国と地獄」を取り上げるのは、1981年の第1回(立川清登、島田祐子らが出演)以来、これが4度目になる。今回は大植英次の指揮、鵜山仁の演出、東京フィルの演奏だ。

 初日の今日の配役は、ジュピターを大川博、プルートを上原正敏、オルフェを又吉秀樹、ユリディスを愛もも胡、ジョン・スティクスを吉田連、ジュノーを醍醐園佳、他といった顔ぶれ。私がこれまであまり聴いたことの無かった人も多いが、しっかりした歌唱を聴かせる人もいるし、舞台映えする人もいるので、今後を楽しみにしたい。

 日本語字幕付日本語歌詞上演で、訳語には必ずしもいい趣味と思えぬところもあるものの、取って付けたように流行語を入れたりすることを「概して」避け、むしろ旧き芝居調の台詞を活用したりしていたことは、物語の内容とのバランスから言っても賢明だったろう。
 それに今回の台詞回しは、前回(2007年)の時の上演に比べ、格段に聞き取りやすい。ジュピターとプルートの台詞の応酬など、なかなかテンポが良かった。ただし、全員がそうだったとは言い難い。演出にはドタバタ調のところもあるが、これが本当のノリにつながっていたかどうかも、一口には言い難い。

 テンポの善し悪しということでは、むしろ大植の指揮に、僅かだが疑問をいだいたところがある。彼が一つ一つのナンバーをこの上なく丁寧につくっていたことは充分認めるのだが、ドラマが昂揚点に向かうべき場面で、時にテンポを不自然に落すのは、どうも納得が行かない。第1幕第2場(天国)で、神々がジュピターを囲んでいびるクープレの中ほどの部分とか、全曲のフィナーレにおけるカン・カンの出だしの部分などは、その例である。
 じっくりとやるのも結構だが、こういう賑やかなオペラなのだから、もう少し一気に押しまくって盛り上げて行ってくれたらなあ、と思う。そういうところが、何ヵ所かあった。

コメント

今更ですが

コメント欄が盛り上がっていないので、僭越ながら一言。
大植さんのテンポ設定についての御指摘、私も同感です。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」