2020-04

2019・11・15(金)ティーレマン指揮ウィーン・フィル

     サントリーホール  7時

 今回の来日ツアー最終日。第1部でR・シュトラウスの「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、第2部でヨハン・シュトラウスⅡの「ジプシー男爵」序曲、ヨーゼフ・シュトラウスの「ディナミーデン」、そして最後に再びR・シュトラウスの「ばらの騎士」組曲が演奏された。
 「ばらの騎士」のワルツのモティーフを先取りしたような「ディナミーデン」をその前に置いたのは、良いアイディアと言えるだろう。アンコールはエドゥアルト・シュトラウスのポルカ「速達郵便」。

 R・シュトラウスの作品なら、あのティーレマン節を久しぶりに聴けるかなと期待して行ったのだが、意外にストレートで、芝居気の皆無な演奏に終始していたのには少々拍子抜け。
 まあ、彼がウィーン・フィル相手に「英雄の生涯」で大芝居の演奏を聴かせたのは、もう16年も前、彼も未だ若かった頃のことだから、致し方あるまい。ただ、その後シュターツカペレ・ドレスデンと日本で演奏した「アルプス交響曲」にしても、バイロイトで指揮していたワーグナーものにしても、もう少し細かい構築や、劇的な演出を聴かせていたものだが━━。

 そこで今日はむしろ、ヨハン・シュトラウス一家の作品での演奏の方が、より解放的な趣を出していたようである。
 ただそこではティーレマンは、コンサートマスター(ライナー・ホーネック)と緊密に呼吸を合わせながら、時には指揮をやめてしまったりしながら、練達のオーケストラに敬意を払って委細をお任せしていたような雰囲気も感じられたが。

 終演後に小ホールでフェアウェル・パーティが行なわれたが、そこで挨拶に立ったティーレマンは、指揮台での彼とは別人のような雰囲気。
 おそろしく神妙な顔つき、かしこまった姿勢で、「ウィーン・フィルと仕事をすると勉強になります、この1ヶ月間、自分は多くの素晴らしいことを学ばせていただきました」と、何とも殊勝なことを述べていた・・・・。

コメント

ティーレマン

お疲れ様です。私もかなり詰めたコンサート通いをしていますが、どうぞお体お気をつけ下さい。
11日のブルックナーと本日とを聴きました。
結果としては、R.シュトラウスの方がずっと良かったと思います。共同作業がスムーズで、個別のソロも愉しい。ブルックナーは、私には「R.シュトラウス編作劇的交響曲」としか聞こえませんでした。必要不可分の音は出ているにもかかわらず、退屈。敢えて言い切ってしまうと、音楽に気品がない。彼が、欧州音楽界の指導的立場にいるのに、関係者や聴衆に今ひとつの盛りあがりに欠ける理由がわかった気がしました。

ティーレマンが「ウィーン・フィルと仕事をすると勉強になります、この1ヶ月間、自分は多くの素晴らしいことを学ばせていただきました」と言ったのですか !
それは何とも深い意味があるかもしれませんね。
11/15のプログラムはR・シュトラウスが主でしたが、例えば「ばらの騎士」はドレスデンで初演されたオペラです。
現在ドレスデンシュターツオーパーの監督のティーレマンは「ばらの騎士」の伝統的な奏法がドレスデンよりウィーンのほうに強く濃く残っているのをつくづく実感したことでしょう。
その他の曲もそうです。この日の「ドン・ファン」「ティルオイレンシュピーゲル」においてもそれを実感したのではないでしょうか。
ウィーンフィルはかなり新しくなって変わりましたが、それでも他のオケが失ってしまった伝統的な奏法が脈々と根付いて生きていると思います。
私は今回の「ばらの騎士」組曲の演奏にそれを強く感じました。



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