2020-04

2019・10・14(月)クリスティ指揮レザール・フロリサン「メサイア」

       東京オペラシティ コンサートホール  3時

 台風19号の災害に遭われた方たちに、心からお見舞いを申し上げる。

 この台風により交通が途絶したため、12日(土)のホリガーと名古屋フィルの演奏会には行けなかった━━演奏会も中止になっていた。前日の公演は行なわれたというが、その日は某所でのオペラ講座講演のため最初から行ける予定はなかった。ホリガーの「国内4オケ4部作」を、札響、大フィル、シティ・フィルと聴いて来たのに、最後の一つが聴けなかったことは痛恨の極みである。13日(日)の川崎でのマチネー、「ノットと東京響」は、公演は行なわれたが、こちらが些か体調不良で行く能わず。

 ・・・・台風は12日の夜9時に東京に、という予報だったが、恐ろしく時間が正確で、拙宅のある世田谷では8時45分から突如、正真正銘の猛烈な風が荒れ狂い始めた。それはともかくとしても、気圧の変化の所為なのだろうか、そのあたりから突然、飛行機に乗った時に起こるような、耳が詰まるような、あるいはスポンと抜けるような症状が起こり、その上、頭が重くなったような感じに陥ったのには驚いた。いくら低気圧の襲来でも、こんなことが起こるのだろうか? お医者さんが居られたら、お教え願いたいところだ。

 その所為で何となくフラフラし、思わしくなかった体調がいっぺんに回復してしまったのが、実はこのウィリアム・クリスティ指揮のレザール・フロリサンが演奏するヘンデルの「メサイア」を聴いているさなかだったのである。
 第2部の「ハレルヤ・コーラス」の終結近く、音楽がみるみる昂揚して行き、「Halleluyah!」が繰り返されるくだりで、クリスティが大きなアッチェルランドをかけて行った時、その熱狂性に改めて舌を巻いたが、そのあたりから、あれほど思わしくなかった気分がいつの間にか吹き飛んでいたのに気づいたのだった。音楽療法を地で行ったようなものだろう。

 彼らの演奏による「メサイア」は以前にも日本公演できいたことがあり、それは実にあたたかい演奏だったという記憶がある。今回も同様だが、スケールの大きさという点では今回の方が勝っていたのではなかろうか。
 ヒロ・クロサキをリーダーとするオーケストラの楽員の数およそ30名、合唱は24名という小編成でありながら、彼らが響かせる演奏の力感と質感は、70人の大オーケストラと合唱に匹敵するだろう。

 また、「ラッパが鳴り響く」を経て、二重唱、合唱、ソプラノのアリアから最後の大合唱へと音楽が激しく力を増し、濃密さを加え、ついに陶酔的な高揚の「アーメン」に達するあたり、ヘンデルの音楽のつくりが見事なのは事実であるにしても、それが精神的なドラマの完結といったものを意識させ、キリスト教徒でない者にさえ法悦の極致ともいうべき圧倒的な感銘を与えるまでに高められていたのは、やはりクリスティの卓越した指揮のみがなし得た偉業ゆえではなかったろうか。

 ソプラノはキャスリーン・ワトソン、エマニュエル・デ・ネグリ、アルトがティム・ミート、テノールがジェイムズ・ウェイ、バスがパドライク・ローワン。

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