2019-11

2019・10・2(水)ハインツ・ホリガーと東京シティ・フィル

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 ホリガー、今日は東京シティ・フィルを「吹き振り」だ。ただしこの演奏会は、シティ・フィルの定期ではない。ホリガーを招聘しているヒラサ・オフィスの主催による特別演奏会である。

 プログラムは、最初にヴェレシュの「トレノス」、次がリストの作品をホリガーが編曲した「2つのリスト作品のトランスクリプション」━━これは札響定期で指揮したのと同じ曲で、「暗い雲」と「凶星」(Unstern!札響の時は「不運」という訳が使われていた)。
 次に郷古廉をソリストにバルトークの「ヴァイオリン協奏曲第1番」、そしてホリガー(オーボエ)とマリー=リーゼ・シュフバッハのイングリッシュホルンとのデュオで、細川俊夫の新作「結びーハインツ・ホリガーの80歳の誕生日を祝して」の世界初演が行なわれた。
 休憩後は、ホリガーのオーボエ吹き振りでマルティヌーの「オーボエ協奏曲」、最後にラヴェルの「スペイン狂詩曲」と続く。シティ・フィルのコンサートマスターは荒井英治。

 ホリガーの卓越した色彩的な音色感覚は、今夜の演奏でも健在だ。民族色も滲ませた「トレノス」と、続く「リスト・トランスクリプション」での暗鬱な沈潜、慟哭的な美しさ。バルトークでの郷古のソロも素晴らしい。

 ホリガーは、それらの指揮とともに、オーボエの面でも今夜はパワー全開である。細川俊夫の新作と、マルティヌーの協奏曲とで聴かせたホリガーのオーボエ・ソロは、驚異的な肉体的な力と、精神的な集中力と、ヒューマンなあたたかさに満ちた音楽性とで、ただもう舌を巻くしかない━━。

 さて、それまでホリガーの指揮によく応えて来たシティ・フィルではあったが、「スペイン狂詩曲のような曲を、彼のような━━つまり厳しい制御の一方、巧妙とは必ずしも言い難いバトン・テクニックの━━指揮者の下で演奏するのは、そう簡単ではなかったのではないか。大阪フィルの「ラ・ヴァルス」と同じく、色彩感は豊富だったが、何となく肩肘張ったようなラヴェルになっていた。

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