2019-08

2019・7・31(水)ゲルギエフとPMFオーケストラ GP

      札幌コンサートホールkitara 大ホール  正午~4時

 芸術監督ゲルギエフのリハーサルを聴く。
 バイロイトでの指揮との「掛け持ち」だから、良し悪しは別として、相変わらず超人的なエネルギーである。昨夜は、ショスタコーヴィチの「第4交響曲」を通して演奏したという話であった。
 今日は本番前のゲネプロというから、まあそこそこ「通し」でやるのかと思っていたら、いやどうして、この交響曲を、アクセントの一つ一つから、ダイナミックスから、エスプレッシーヴォに至るまで、3時間以上にわたり、猛烈に細かく練習して行ったのである。

 指揮者に絶対服従の素直で優秀なアカデミー生のオケのこと、たとえ練習時間が少なくとも、これだけ濃密なリハーサルを重ねれば、充分に仕上がることだろう。もちろんそれは、事前にクリスチャン・ナップの念入りな下振りがあったればこそ、である。
 ゲルギエフは、練習予定時間の最後の30分で、ドビュッシーとイベールを、詳細な指示を交えながらも、これらはほぼ「通し」でリハーサルして行った。

 私はといえば、PMFから依頼されたゲルギエフへのインタヴューが、今日か、それとも明後日の川崎での本番前か、という流動的な状態で待機していたわけだが、「予定の立てにくい予定」に振り回されることの珍しくないゲルギエフへの対応に経験を積んだPMFとジャパン・アーツは、私にリハーサルの間の20分の休憩時間の間に楽屋へ行き、インタヴューと言わずに挨拶と雑談をし、そのまま勢いでいろいろ質問をしちまえ、と、ふつうの指揮者だったら怒り出すような方法を提案して来る。

 有難いことに私も、ゲルギエフとは1992年のサンクトペテルブルクでの初取材以来、2008年のエディンバラに至るまで、雑誌等のために、十数回のインタヴュ―を重ねて来たお馴染みの間柄である。ゲルギエフもさすがに対応を心得ていて、当たり前のような顔をしながら「ドアを閉めて」とスタッフに指示し、そのまま機嫌よく予定の10~15分間を喋りまくってくれた。そして疲れも見せずに、またステージへ戻って行ったのだった。
 予定の立てにくいことをやる人に対しては、予定外の行動も通用するのだという一例か。

※どすと様 いつも歯に衣着せぬコメントをありがとうございます。しかし今回は、「否定的」と断定なさる前に、その指揮者のリハーサルの方法、いくつかの本番での演奏の違い、あるいは過去の演奏の例など、広範囲にわたって詳細に検証なさって見れば、また異なる印象も得られて、音楽の愉しみもいっそう増加すると思いますよ。今後ともよろしく。

コメント

東条先生とゲルギエフさん

いつも有難うございます。先生とゲルギエフさんの信頼関係、いいですね。予定の立てにくいことをエネルギッシュになさる人には、予定外の行動をエネルギッシュになさる人がいいのですね。

ゲルギエフは以前東響のときも音楽監督に下振りさせて本人GPに現れてコンサートをやったという御仁。超人的というか傲慢というか大した人と思うがそれが演奏にどのように現れるか問題だ。私は否定的だが。クナならともかく。

確かに東条先生のおっしゃる通り、広範囲に、詳細に検証できれば良いのでしょうが、それが時間的に、経済的に難しいのも音楽を職業としない一般の音楽ファンの現状ではあります。
私は東北地方在住で、東京に日帰りで時々聴きに来ます。奮発して大阪フィルや広島響を聴きに遠征する事もありますが、年に聴けるコンサートの数は十五回を超える事はありません(因みに、殆どの会場で東条先生の姿をお見かけ致します)。ゲルギエフのタコ4を三日続けて聴くなど夢のまた夢です。たまたま聴けたコンサートは貴重な機会であり、専門家筋には良くない演奏だったとしてもその日の印象や記憶をもとにその演奏家を判断せざるを得ないのです。

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