2019-09

2019・7・12(金)広上淳一指揮日本フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 絶好調の広上淳一が客演して指揮したプログラムは、ジョン・ラター(1945~)の「弦楽のための組曲」、J・S・バッハの「ピアノ協奏曲BWV.1054」、ジェラルド・フィンジ(1901~56)の「エクローグ~ピアノと弦楽のための」、ハイドンの「交響曲第104番《ロンドン》」、ジョージ・バターワース(1885~1916)の「2つのイギリス田園詩曲」。
 ピアノのソロは小山実稚恵、コンサートマスターは扇谷泰朋。

 日本のオーケストラの定期演奏会のプロとしては何ともユニークなもので、企画担当スタッフの意気込みが伝わって来るだろう。しかも、こういうプロでもそこそこお客が入っているのだから、最近の日本フィルの自信のようなものがうかがえるというものだ。

 それに、聴いてみると実に面白い。ラターの組曲(4曲)は、いずれもどこかで聞いたような英国民謡などを素材としたもので愉しいし、そのあとでバッハのピアノ協奏曲が小山実稚恵のソロを中心に響き始めると、これが何とも清澄で新鮮さに満ちて聞えるのである。続くフィンジの作品も、この上なく叙情的で美しく、小山実稚恵がここでも温かい演奏を聴かせてくれた。
 この3曲のオーケストラはすべて弦楽のみだったが、日本フィルの弦が最近好調なので、素晴らしく聴き応えがあった。

 そのあと、休憩を挟んでやっと管楽器群とティンパニが加わり、ハイドンの「ロンドン交響曲」を爆発させるというプログラムの対比的面白さ。
 この「ロンドン」は、弦14型という比較的大きな編成で、豊麗壮大な構築の演奏となった。テンポをゆっくり目に採ったメヌエット楽章は少し重かったが、第4楽章では俄然強大な力感を漲らせ、祝典的な豪壮さで結んで行った。

 そのあとになおバターワースの作品が演奏されたわけだが、私の個人的な印象で言えば、聴いた音楽の質量感からして、「ロンドン」で終っても充分だったような気もする・・・・もちろん、バターワースのこの佳曲を聴けたことは嬉しかったけれども。

 今日は、中国の子供たちが数十人、団体で聴きに来ていた。音楽を勉強している子供たちだと聞いたが、ほぼ中学生から小学生くらいの年齢。しかもプログラムは渋いし、やや心配な向きもあったが、最後までみんな静かに聴いて帰って行った━━ただし、最後のバターワースに入った頃には、やや集中度が低下したような雰囲気を感じさせたが。
 中国の子供たちにとって、東京の最高のホールで、良いオーケストラの立派な演奏を聴いたことが、忘れられない思い出になるといいのだけれど。

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