2020-05

2019・6・20(木)P・ヤルヴィ指揮N響「トゥーランガリラ交響曲」

      サントリーホール  7時

 寸毫の隙も乱れもないアンサンブル、金管と弦との完璧な均衡。さすがパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団の演奏は見事というほかはない。メシアンの大曲「トゥーランガリラ交響曲」をこれほど鮮やかに演奏できるオーケストラも稀だろう。
 協演のピアノはロジェ・ムラロ、オンド・マルトノはシンシア・ミラー。コンサートマスターは客演のロレンツ・ナストゥリカ・ヘルシュコヴィチ。

 ただ、甚だ贅沢な不満ではあるが、その演奏に何か食い足りないものがあるとすれば、そのあまりにも手際のよすぎる仕上げという点ではなかろうか。さながら、卓越した技術を持った匠(たくみ)が、目にも止まらぬ勢いで、水際立った手さばきで物を作り上げ、さあどうだ、とばかりに掲げて見せるような演奏。
 私は、その驚くべき道具さばきを、ただもう感心しながら見つめる。だが、ふと我に返ってみると、それだけで全て終っていたような気もするのだ━━。

 まあ、こんなことは人それぞれの受け取り方だろうが、しかし演奏そのものの面で言えば、たとえば「彫像の主題」を含むさまざまな主題が、各楽章ごとに、もっとそれぞれ多様な表情を以って立ち現れてもらいたかった、ということは確かである。
 常に同じような表情で、しかも一瀉千里に押し流して行くという演奏では、どうしても単調な感じになるだろう。正直言って、この「トゥーランガリラ交響曲」に、良くも悪くも、あたかも長大な単一楽章の作品のような印象を持ったのは、これが初めてだった。

コメント

N響のトウ-ランガリアといえば小澤征爾が振った日本初演1961年を思い出す・。この難曲を暗譜でこの曲を振ったのだった。
そのあと不幸にも袂をわけたのだ。今ではサロネン、ディトア,プレビンらが振り私も最近関西でも三人の指揮者(井上、高関、佐渡)で聞いているがこの曲がコンサートに定着するのに50年以上かかったのだと思うことしきりです
.一面に破天荒さを持つこの曲に対してパーボの指揮ぶりの巧みさの中に物足りなさをを感じられたのですね。

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