2019-12

2019・6・15(土)フンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル」

      日生劇場  1時30分

 「NISSAY OPERA 2019」として上演された2日公演の初日。これはこの前後に「中・高校生に本物の舞台に触れる機会を」という狙いによる「ニッセイ名作シリーズ2019」としても上演されており、また10月には名古屋と仙台でも上演される由。

 指揮が角田鋼亮、演出と振付が広崎うらん、舞台美術が二村周作。田中信昭による日本語訳詞で歌われるが、日本語の字幕もつく。
 今日の出演は郷家暁子(ヘンゼル)、小林沙羅(グレーテル)、池田真己(父)、藤井麻美(母)、角田和弘(魔女)、宮地江奈(眠りの精、露の精)、C.ヴィレッジシンガーズ、パピーコーラスクラブ、えびな少年少女合唱団、新日本フィルハーモニー交響楽団、多くのダンサーたち。

 家族向けのオペラ上演としては、よく出来ているだろう。
 ダンスパフォーマンスの広瀬うらんが担当した舞台だけあって、ダンスが活用されるだけでなく、ヘンゼルとグレーテルも、父親も母親も、魔女とその手下の怪物どもも、登場人物全員が実によく踊り、飛び跳ねる。演劇的な要素は希薄だが、賑やかさという点で親しみを狙う、という舞台だ。

 ただしラストシーンは、捻ったわりには、客席はシーンとして、???という雰囲気になってしまった。もしあの美しい精のようなダンサーたちの出現が、音楽が鳴っている間に行なわれていれば、もっと盛り上がったのではないかとも思えるのだが如何に? 
 しかし、お菓子から人間の姿に戻った子供たち(合唱)の演技は、めっぽう可愛かった。

 休憩20分間ほどを含めてちょうど2時間で終ってしまったから、テンポもかなり速い。
 速いこと自体は悪くないが、ホルンの響きは荒々しく、オーケストラ全体もリアルに生々しく、総体的に演奏が素っ気ないことに疑問が残る。つまり、舞台がトラディショナルなメルヘン調のものであるにもかかわらず、演奏には、本来このオペラに備わっているはずのロマンティックでミステリアスな「森」の雰囲気が感じられないのである。

コメント

なかなか見事な舞台でした。

ご無沙汰しております。小生も15日の公演を拝見しました。なかなかレベルの高い公演で満足しました。

角田鋼亮さんの振る「ヘンゼルとグレーテル」に接するのはびわ湖ホール公演に続いて二度目ですが、さすがに手慣れた指揮でした。歌手の皆さんも、みな演技も巧く見事な歌唱を聴かせてくれましたが、個人的には、ヘンゼル役の郷家暁子さんが見事なズボン役を演じ、素晴らしかったと思います。グレーテル役の小林沙羅さんは、少女役としては、ちょっと余分なお色気がある感じで(笑)、もう少し中性的な雰囲気で透明感のある声を聴かせてほしかったようにも思うのですが、まあこのあたりは好き嫌いの問題でしょう。しっかり者の妹というより、おませなお姉ちゃんという感じのグレーテルでしたが、二重唱などはお見事でした。

あと感心したのは少年少女合唱で、籾山真紀子さんが指導する海老名市の合唱団がとても上手でした。彼女のように地方で立派な音楽活動を続けている指導者が我々の知らないところに沢山おられるのですね。

ただし、最後の演出だけはちょっと、う・・・んです。東条先生ご指摘のとおり、音楽的な終止と舞台上の終結が一致していればかなり違う印象になったでしょう。「ヘンゼルとグレーテル」というオペラ、個人的にはドイツ語オペラの名作と言ってもよいと思うのですが、それがあまり上演されないのは、少しキリスト教的道徳観を押し付け過ぎるところにあるのではないか、と思うわけで、そのような異教徒にとっての違和感を和らげてくれる効果も期待できたのではないかと思うのですが。

あまり上演されないと申し上げましたが、今年は珍しく、8月に神奈川県民ホール巡回公演でもこの演目が取り上げられますね。こちらは公演時間が休憩なしの1時間なので、かなりカットされるようですが、そちらもチケットを購入しておりまして、どのような舞台になるか見比べるのを楽しみにしております。

お疲れ様です。
16日の2日目を聴きました。
オケも歌手も、公演を重ねて、手の内に入っているようで、精緻とは言えなくても、荒っぽいとは感じませんでした。
数年前の公演映像の日本昔話風の児童劇に比べて、随分洗練されているように思いました。
ただ、東条先生仰る通り、エンディングは何なんでしょう。危うくフライングの拍手をしそうになりました。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」