2019-07

2019・6・14(金)鈴木優人指揮関西フィル&小菅優 「欧和饗宴」

      ザ・シンフォニーホール  7時

 関西フィルハーモニー管弦楽団の第302回定期で、「鈴木&小菅が三大巨人に挑む 欧和饗宴 衝撃のニッポンプログラム」と、洒落っ気を交えたキャッチコピーが、プログラム冊子の表紙に麗々しく躍る。

 演奏曲目は、黛敏郎の「シンフォニック・ムード」、矢代秋雄の「ピアノ協奏曲」(ソロは小菅優)、芥川也寸志の「交響曲第1番」。
 東京でも滅多に聴けぬような意欲的なプログラムだったし、鈴木優人が日本の近・現代音楽をどのように指揮するかということにも関心があって、とんぼ返りで聴きに行った次第。コンサートマスターは岩谷祐之。

 鈴木優人は、関西フィルを解放的に高鳴らせる。黛の曲でも、芥川の曲でも、それぞれの作品が持つ力動的な面に重点を置き、それを強調して指揮しているかのようだ。関西フィルの大熱演と相まって、それが聴衆を喜ばせた、ということは確かにあっただろう。
 敢えて注文を付ければ、これに楽曲構成上の起伏、あるいは表情の変化、あるいはテンポの微細な増減などによる力動性の変化━━といったものが導入されれば、更に演奏に深みが出るだろう。
 だが、芥川の「第1交響曲」の第3楽章の、重々しいアダージョのコラールは、重厚さと、激烈な高潮とで、極めて緊迫感の強い演奏が聴かれた。

 しかし一方、矢代秋雄の「ピアノ協奏曲」となると、そういう力任せのダイナミズムでは、解決できない問題があるだろう。今日も小菅優が暗譜で見事な演奏を繰り広げたが、やはり2017年1月14日に大ベテラン・秋山和慶の指揮と協演した時の演奏とは、オーケストラとの「協奏」の面において、だいぶ雰囲気が違った。
 なおこのコンチェルトのあとに矢代秋雄の「夢の舟」という小品が鈴木と小菅のデュオで弾かれたが、この演奏は絶品であった。

 「聴き慣れない日本の近代音楽」ばかりだから、お客さんの入りはどうかと心配していたのだが━━まあ満員とまでは行かなかったけれど、そこそこ席が埋まっており、しかも客席の反応がかなり熱狂的だったのには安堵した。休憩時や終演後には、あちこちから「楽しい」「面白い」「素晴らしい」という声も聞こえていたのである。それは作品群に対してなのか、関西フィルの熱演に対してなのか、小菅優の水際立ったソロに対してなのか、あるいはキュートな指揮者に対してなのかは定かでないが、とにかくすべてに対しての賛辞だと解釈しておこう。

コメント

6/13日のリストとバルトーク

関西フィル定期、興味深い曲目で行きたかったが6/13日日本センチュリ響/ヤーノシュ.コバーチュ指揮に行くためパスしたのでした。
彼らは前回のリスト、コダイに続いてリストハンガリー狂詩曲2番、幻想曲s123バルトーク舞踏組曲,弦チェレという難曲を取り上げ名演を聞かせてくれました。ハンガリー人らしいリズムの厳しさを見せつけ特にハンガリー狂詩曲と弦チェレが特筆ものでした。東条先生に聞いてほしかったです。

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