2020-04

2019・6・7(金)ピエタリ・インキネン指揮日本フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 銀座の東劇での「METライブビューイング」が終ったのは6時前だったが、梅雨入りの雨のために道路も渋滞中で、赤坂のサントリーホールに着いたのは、6時半を過ぎた頃だった。

 こちらは日本フィルの第711回定期公演の初日。「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念公演」と題されており、これは創立指揮者の渡邉暁雄、現首席指揮者のインキネンなど、フィンランドに縁のある指揮者を戴く日本フィルにとっては、とりわけ意味深いタイトルでもあろう。
 プログラムも、湯浅譲二の「シベリウス讃―ミッドナイト・サン」、サロネンの「ヴァイオリン協奏曲」、シベリウスの組曲「レンミンカイネン」という、記念公演に合致した内容である。コンサートマスターは客員の白井圭。

 湯浅譲二の作品は、1991年にヘルシンキで初演されたもの。シベリウスへのオマージュとして考えるなら、「タピオラ」への親近感を持ったイメージの音楽とも言えるだろう。7分程度の曲で、厚い層の響きを清澄で爽やかな音色が満たす。「カルメル会修道女の対話」を観て滅入っていた気分を一掃してくれるような美しい曲だった。

 サロネンの協奏曲では、諏訪内晶子が緊迫感に富む素晴らしい演奏を聴かせてくれた。絶え間なく激しく、常動曲の如く動くヴァイオリンのソロが際立ち、2度ほど挿入される深淵を彷徨うかのような沈潜した部分と、強い対照をなす。

 プログラム後半の長大な組曲「レンミンカイネン」(昔、レミンカイネンと言っていたわれわれの世代の者には、どうも抵抗感がある・・・・)は、シベリウスの作品の中でも、私の好きなものの一つだ。
 今日の演奏では、「トゥオネラの白鳥」は3曲目に置かれ、そこではイングリッシュ・ホルンの佐竹真登が深々としたソロを吹き、密やかな弦との対話を繰り広げて、息を呑まされるほどの神秘的な演奏を聴かせてくれた。
 前半2曲では━━シベリウス特有の陰影は見事ながら━━演奏全体の密度は少し粗かった日本フィルが、この「トゥオネラの白鳥」の見事な演奏をきっかけに、俄然引き締まって行ったのは面白い。

 最後の「レンミンカイネンの帰郷」は、テンポが抑制されていたために熱狂的な頂点という感はなかったものの、がっちりとした強固な音楽のつくりが印象的だった。2日目にはおそらく最初から「決まって」行くだろう。

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