2019-09

2019・5・24(金)井上道義指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団

     兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール  3時

 前日から引き続き関西に滞在、阪急電車の西宮北口駅の南口に直結したこのホールで、兵庫芸術文化センター管弦楽団(所謂PAC)の5月定期を聴く。3回公演(すべてマチネー)の、今日は初日だ。

 この日の最大の売りものは、メキシコの人気作曲家アルトゥーロ・マルケス(1950年生)の新作「トランペットとオーケストラのための《秋のコンチェルト》」が、名手パーチョ・フローレスの協演で初演されることにあったろう。
 これはPACとメキシコ国立響、米国アリゾナ州のツーソン響、スペインのオビエド・フィルハルモニアの共同委嘱作で、演奏時間20分ほどの豪壮華麗なラテン・アメリカ系作風のトランペット協奏曲だ。

 フローレスは4種の楽器を使用し、鮮やかに吹きまくった。それは確かに見事なものだったが、YouTubeに出ているものほどには豪壮な、胸のすくような演奏には感じられなかったのは、もしかして初日の演奏ゆえだったのかもしれない。おそらく2日目、3日目の演奏ではもっと自由闊達に吹いたのではなかろうか。

 一方PACの演奏も、これに先立ち1曲目に取り上げられたマルケスの有名な「ダンソン第2番」を含めて、何となくぎこちない、生真面目な━━要するにラテン・アメリカ音楽的な解放感があまり吹き出ていないようなものだったようだ。
 ただ、改めて言うまでもないが、このオーケストラはプロの固定メンバーによる団体ではなく、所謂「アカデミー・オーケストラ」だから、それを承知で聴く要があろう。とはいえ「ゲスト・トップ・プレイヤー」と「スペシャル・プレイヤー」には、国内外のオケの首席奏者クラスの人たちが招かれており、たとえば今日のコンサートマスターには田野倉雅秋、ヴィオラには読響の柳瀬省太、トランペットには東京響の佐藤友紀・・・・といった人たちの名も見えていたのである。

 マルケスでの演奏が意外におとなしかったので、井上とPACの演奏はむしろ第2部でのコープランドの2作━━「ロデオ」からの「土曜の夜のワルツ」と「ホー・ダウン」および「ビリー・ザ・キッド」組曲の方に聴き応えがあった。
 まあ、これらの演奏にもまだちょっと硬さがあったといえば言えぬこともないが、流石コープランド、音楽の貫録という点では独特のものがあり、それに救われた感もあるだろう。 
 井上道義の指揮の身振りの視覚的な面白さも加わって、これは愉しめた。コープランドのこういった作品は、日本では滅多にナマでは聴けないので━━どうも昔から日本のお堅い愛好家たちの間には、この種の曲に対する偏見のようなものがあるのでないかと思うが━━いい機会でもあった。

 アンコール曲はルロイ・アンダーソンの「プリンク・プランク・プルンク」(プリンク・プレンク・プランク)。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」