2019-09

2019・5・18(土)ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団

      東京オペラシティ コンサートホール  2時

 ベートーヴェンの「交響曲第7番」をメインに置き、第1部にブーレーズ(1925~2016)の「メモリアル」と、ヤン・ロバン(1974~)の「クォーク」という作品を組み合わせた選曲。
 前半が現代音楽だけというプログラムであっても、客席はほぼ満員に近い。ノットと東響の人気を物語るものだろう。

 ブーレーズの「メモリアル」は、フルート・ソロ(相澤政宏)と8人の奏者のための作品で、短いけれども神経質な曲だ。ノットと東響は昨年12月の演奏会でも冒頭にフルート・ソロによるヴァレーズの作品(「密度21.5」)を取り上げていたことがあるが、こういうテが好きなのかしら? 
 次のロバンの「クォーク」は、チェロ(エリック=マリア・クテュリエ)と大管弦楽のための作品で、ソロ楽器もオーケストラも刺激的かつノイジーな音で30分近い時間を押しまくる。後半、さながらマーラーの「交響曲第10番」終楽章でのそれの如く、間を置いて叩きつけられる強大な打撃は、聴き手に強い衝撃を与える。

 一方、ベートーヴェンの「第7交響曲」では、アンサンブルも音色も━━特に木管の一部が━━「クォーク」の余波かと思われるくらい少々粗っぽかったものの、ノットと東京響の強靭なアクセントを伴った猛烈な推進力は、この曲の「リズムの饗宴」と呼ばれる特徴を浮き彫りにして、すこぶるエキサイティングな演奏を創り上げていた。
 第1楽章第300小節のオーボエのフェルマータのあとに付された短いカデンツァも━━この手法は久しぶりに聴いたが━━あとで聴衆の大きな拍手を呼ぶ基となったかもしれない。
 なおこのオーボエのあと、木管が主題のモティーフを順に受け渡して行く個所で、付点2分音符の弦のパートを普通よりも明晰に響かせ、リズムから一瞬解放された哀愁感ある世界を引き出したノットの解釈は印象的であった(ここの木管の一部が粗かったのが惜しい)。

 ノットはソロ・カーテンコール。人気はますます高い。コンサートマスターは客演の小林壱成。

※会場名訂正。失礼しました。

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