2019-06

2019・5・12(日)飯森範親指揮東京交響楽団のロシアン・プロ

     カルッツかわさき  2時

 ミューザ川崎シンフォニーホールが改装工事中のため、東京響は川崎での演奏会をここ「カルッツ川崎」に、一時的に移している。

 これは川崎駅東口からバスで5分、徒歩なら20分くらいの場所にある「スポーツ・文化総合センター」のホールだ。座席数は2000ほど。
 クラシック音楽専用のホールではないが、2階席前方で聴く範囲では、音響は悪くないという印象を受けた。ただし2階と3階の多くの席は、椅子に腰を下ろすと、ステージが前の席の客の頭に隠れて中央が見えないという変な特徴がある。このホールの設計者は、席には客が座るものであり、その客は舞台を見るものである、という基本的なことも考えなかったのだろうか?

 それはともかく、今日は正指揮者・飯森範親の指揮で、第1部にボロディンの「イーゴリ公」から「ポロヴェッツの娘たちの踊り」と「ポロヴェッツ人の踊り」、ムソルグスキーの「禿山の一夜」(オペラ「ソローチンツィの市」の一場面)、チャイコフスキーの「1812年」。第2部にワシリー・カリンニコフの「交響曲第1番」というプログラムが演奏された。

 第1部の3曲では、東響コーラスおよび川崎市立坂戸小学校合唱団が協演。またボロディンとムソルグスキーの作品ではバリトンのヴィタリ・ユシュマノフのソロも加わるという大がかりな編成だった。コンサートマスターは水谷晃。
 東響コーラスはステージ奥のみでなく、両側袖にも配置された(ただこの袖の合唱は、ステージの指揮者の方を向いて歌われたせいもあって、2階席で聴いていた私にはあまり聞こえなかった)。

 東京響の演奏の方は、第1部では賑やかさと勢いが優先されていたようだが、何しろ曲が曲だけに、これは致し方ない。
 だが、「禿山の一夜」を、一般に演奏されるリムスキー=コルサコフの「まとまり過ぎた」編曲版ではなく、またムソルグスキーの雑然たる野性的な魅力に富んだオリジナルの管弦楽曲版でもなく、彼がのちにバリトン・ソロ(魔王チェルノボーグ)と合唱(悪魔たち)を入れて新たに書いたオペラ用の版で聴けたのは、まことに稀有な有難い体験であった。もしかしたら、これは日本初演か?

 一方、第2部でのカリンニコフの「第1交響曲」では、シリアスで瑞々しい、しっとりとした演奏で、指揮者・飯森が愛してやまないこの曲に相応しい快演が展開された。主題の展開の手法に関しては少々まだるっこしいものが感じられるこの曲だが、熱狂的なファンも多いようである。

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