2021-06

2019(令和元年)5月1日(水) 葵トリオ 

    トッパンホール  2時

 昨年のミュンヘン国際コンクールで優勝を飾った、小川響子、伊藤裕、秋元孝介の葵トリオの演奏会。これはトッパンホールが2002年10月に開始した「ランチタイム コンサート」の第100回記念として行なわれたものだ。
 気鋭のグループによる若々しい清新な息吹に富んだ演奏は、令和元年の初日を祝うに相応しいものであったろう。

 プログラムは、ベートーヴェンの「三重奏曲第5番《幽霊》」、マルティヌーの「三重奏曲第3番」。━━ここまでは先週土曜日にびわ湖ホールで演奏したプログラムと同じだが、今日はそのあとの第2部に、メンデルスゾーンの「三重奏曲第2番」が演奏された。
 アンコールはまたもハイドンの「三重奏曲第27番」の第3楽章だったが、これはピアノの秋元孝介が「何回も私たちの演奏を聴いて下さっている方は、またかと思われるでしょうが、これはいまロビーで売っている(私たちの)CDにも入っている曲なので」というスピーチをし、聴衆を笑わせていたので、商売上の戦略というわけだろう。

 マルティヌーでの演奏の切れの良さは、先週土曜日の演奏の際に感嘆させられたのと全く同様。
 だが、メンデルスゾーンでは、疾風迅雷というか、疾風怒濤というか、猛烈なエネルギーを噴出させた演奏となり、ベートーヴェンの精神をそのまま引き継いだかのようなメンデルスゾーン像が描き出された。この荒々しさは、所謂メンデルスゾーンのものではないように思われるが、この作曲家の精神の奥底に秘められていた━━もしそうであればの話だが━━強靭で荒々しい情熱を浮き彫りにするという点では、興味深い解釈かもしれぬ。
 とはいえ、ベートーヴェンとメンデルスゾーンの違いが、彼ら葵トリオのメンバーの中でどのように認識されていたかということになると・・・・。

 いずれにせよ、こういう演奏ができるのは、若さの特権であろう。

コメント

 もう5~6年前ですが、奈良の音楽祭でしょうか、小川さんがバッハ、伊東さんがシューマンのコンチェルトを演奏したのを聴きました。ともに堅実なところを基調に、小川さんは新鮮さ、伊東さんは柔和な表現あふれる内容だったと記憶しています。小川さんはその後も、関西のオケの客演やコンマスなどで拝見していますが、2人とも着実にキャリア、実績を積まれているようで嬉しく思います。

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