2021-06

2019・4・27(土)びわ湖クラシック音楽祭(3)オープニングコンサート
沼尻竜典指揮京都市交響楽団と中村恵理、ユリアン・シュテッケル

     大ホール  午前11時~12時05分

 ヴェルディの「運命の力」序曲、同オペラからのアリア「神よ平和を与えたまえ」、ドヴォルジャークの「チェロ協奏曲」。

 このホールで、オペラでなくコンサートを聴いたのは確かこれが二度目だが、今回は特に音響がいいのに感心した。オペラを上演できるホールでありながら残響が豊かで、ステージ後方に並んでいる金管などが奥行き感を持って響いて来るのは、反響版のつくり方が巧いせいだろう。
 もちろんそれには、京響の良さも影響しているはずである。あまり練習時間はなかったという話だが、それでもたっぷりとした重厚な風格を備えた快い演奏でこの開幕演奏会を飾っていた(コンサートマスターは泉原隆志)。

 沼尻竜典の指揮も、例の如く鮮やかで活気に富んだものだ。「序曲」は何となく物々しく構えた演奏だったものの、3つの作品すべてをたっぷりとしたスケール感の引き締まった構築で披露した。
 また、アリア「神よ平和を与えたまえ」━━これが今年の音楽祭のテーマであり象徴ともいうべきものだが━━を歌った中村恵理も、華麗というよりは心理的な襞の濃い劇的な表現で、このレオノーラのアリアを聴かせてくれた。

 ただ、そこまではいいのだが、次の協奏曲を弾いたユリアン・シュテッケルというチェリストが、どうにも無神経すぎる。朗々たる開放的な音色なのだが、それはオーケストラと全く溶け合わず、異質に浮かび上る。ドヴォルジャークとは甚だ無縁な、陰影に乏しい単調な演奏で、しかも最初から最後まで表情が変わらず、音程もしばしば不安定になるといったソロなのである。これが2010年にミュンヘン国際コンクールで優勝した人だというから驚いた。こんな演奏の協奏曲をやるくらいなら、快調の沼尻と京響だけで何かシンフォニーをやってもらった方が余程よかった・・・・。

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