2019-06

2019・3・31(日)飯守泰次郎指揮関西フィル ブルックナー「9番」

      ザ・シンフォニーホール  2時

 関西フィルハーモニー管弦楽団の第299回定期。桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎が、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第5番《トルコ風》」(ソロはヴェロニカ・エーベルレ)と、ブルックナーの「交響曲第9番」を指揮した。

 エ―ベルレは、つい先日もウルバンスキの指揮する東京響とこの同じ曲を弾いていたが、さすがに協演の相手が違うと、自分の演奏スタイルも少し変えるらしい。東京での演奏は端整、繊細、清澄、といった特徴を強く感じさせていたのに対し、今日は冒頭からして濃厚で妖艶な表情を滲ませるなど、全曲にわたって、やや自由な感興が加えられていたようだ。その気品ある清廉なモーツァルトは、実に美しい。

 さて、ブルックナーの「9番」である。これは、飯守が関西フィルと毎年1曲ずつ進めていたブルックナー交響曲ツィクルスの、その最終篇にあたる。私もそのうち「7番」と「8番」を聴いたが、今日の「9番」も、やはり率直で烈しいブルックナーだ。
 殊更にユニークな解釈を狙うことなく、また、徒に長めのパウゼを採って全体の流れを滞らせたりするなどということもなく、あくまでスコア通りに演奏を構築して巨大な山脈を築き上げる━━といった飯守のブルックナーは、その率直さと真摯さゆえに、感銘を呼ぶ。

 関西フィル(コンサートマスターは岩谷祐之)も入魂の演奏を聴かせてくれた。第1楽章コーダや、第2楽章スケルツォ、第3楽章の最初の爆発での昂揚。同楽章アダージョでの深い拡がり。
 弦楽器群も厚みのある音を響かせた。第3楽章最後のホルン、ワーグナー・テューバ等による告別の長い持続音の個所で響きのスムースさを欠いたのはかえすがえすも惜しかったが、今日のホルン・セクションには客演奏者が多かったらしいので・・・・。

 飯守と関西フィルによるこのブルックナー・ツィクルス、来シーズンに「0番」が追加されるそうである。

コメント

今回、東条先生がいらっしゃるような予感がしていました。お疲れ様です。東京響でのヴェロニカ.エーベルレさんのモーツァルトも拝聴したかったです。気品溢れるモーツァルトでした。ブルックナーの9番も素晴らしい仕上がりだったと思います。お見事でした。

飯守&関西フィル、ブルックナー9番 感想

いつも楽しく拝読してます。大分という地方都市に住む者にとって、自分が行った演奏会を東条先生が評するということはなかなか無い事ですので、特に興味深く拝読しました。
昨年3月の8番に続いて2度目ののシンフォニーホールでした。昨年新幹線の遅延で第1楽章を聞き逃したこと。昨年11月福岡での9番(ミュンヘンフィル)は演奏には文句なかったのですが、音が消えて2秒後のフライング拍手が残念で堪らなかったこと。その二つのリベンジの意味もあっての大阪行き。結果はリベンジの成功以上の物でした。
 2017年10月宮崎でのブロムシュテット&バンベルク響の7番でずっと敬遠してたブルックナーに目覚め、程なく一番好きな作曲家となった私には、いつもそうなんですがまた特に、「生きてて良かった」と大袈裟なことを言いたくなる演奏会でした。
 あくまでも言われてみれば、東条先生の仰る最後のホルンとワーグナーテューバの傷があったように思いますが、私にとっては些細な事。感動のあまり飯守さん、ワーグナーテューバ、そして特にティンパニに特大のブラヴォーを叫びました(笑)
 「トルコ風」これも地方のファンには珍しいのではと思うのですが、ここ一年ちょっとで三度目でした。山根一仁、ヒラリー・ハーン、そして先日。
 この曲もブルックナーの全ての曲も、飯守さんの名もたった3年前には知りませんでした。次回7月7日京響で同じホールに行くのが今から楽しみです。

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