2019-05

2019・3・26(火)ウラディーミル・ユロフスキ指揮ベルリン放送交響楽団

      サントリーホール  7時

 「ユロフスキ」と「ユロフスキ―」のどちらが表記として適切なのか判らないけれど、招聘元ジャパン・アーツは「ユロフスキ―」でやっているようである。スペルは「Jurowsky」ではなく「Jurowski」なのだが・・・・。

 今日のプログラムは、前半が20日と同じモーツァルトの「フィガロの結婚」序曲と「ピアノ協奏曲第21番」。
 オーケストラも、さすがに滞日6回目の公演となればアンサンブルにも落ち着きが出て来て、先日のようなガサガサした演奏ではなくなった。コンチェルトのソリスト、レイフ・オヴェ・アンスネスは、今日はソロ・アンコールにモンポウの「《街外れ》第1番」という美しい曲を弾いてくれた。

 プログラム後半は、マーラー編曲のベートーヴェンの「第7交響曲」なる珍しい曲。編曲といっても、作品の構造自体を変更しているわけではなく、あくまで管弦楽法を改訂するにとどまっているものだ。
 ただ、マーラー版のスコアが手許になく、またどこまでが指揮者の表現なのかどうかが定かでない━━という保留要素はあるものの、オリジナルと比較してかなり濃厚な、少々えげつないまでの手が加えられているのは確かなようである。

 聴いて気がついた範囲で、いくつかの点を挙げれば、例えば全曲にわたり、過剰なほど執拗に施された細かいクレッシェンドとデクレッシェンドであろう。これがもし指揮者の独断で入れたのでなければ、マーラーの改訂における最大の特徴であろうと思われる。
 また、再現部直前の弦と管のバランスにはかなりの変更があったようだし、コーダにおけるバスのオスティナートも異常なほど誇張されて響かせられていた。第3楽章トリオにおけるティンパニの奏法、第4楽章のリズム主題の響かせ方にも、原曲とはだいぶ違いがある。
 第4楽章コーダでは、全管弦楽のバランスを含め、マーラーはもうここぞとばかり手を替え品を替え、オリジナルの視点から見れば畸形と感じられるほどに響きを変えてしまっている。よくぞここまでやったものだ、と呆気にとられずにはいられない。いかにも「鼻につく」手法ではある。だがしかし、こういう版を聴かせてもらったことに対しては、礼を言おう。
 アンコールは、またマーラー編曲によるバッハの「アリア」。

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