2019-05

2019・3・19(火)カンブルラン指揮読売日響「果てなき音楽の旅」

     紀尾井ホール  7時

 常任指揮者カンブルランのお別れ演奏会シリーズの第3弾は、読響のメンバーと組んだ現代音楽のアンサンブル・コンサートだった。
 第1部ではエドガー・ヴァレーズの「オクタンドル」に始まり、メシアンの「7つの俳諧」が続き、第2部ではイタリアのジャチント・シェルシ(1905~88)の「4つの小品」、フランスのジェラール・グリゼー(1946~98)の「〈音響空間〉からのパルシエル」━━というプログラムである。「7つの俳諧」でのピアノは、ピエール=ロラン・エマール。

 こういう作品群をまとめて聴くという機会は決して多くないので、実に嬉しいことだった。「7つの俳諧」をエマールのソロ入りで聴けたことをはじめ、CDで聴くだけではその音響の空間的拡がりや和声的な音の衝突といった本領が判り難いシェルシやグリゼーの作品をナマで聴けたということも喜びである。
 特にシェルシの「4つの小品」では、4曲各々に、ある一定の音程のみが微妙に揺れつつ各楽器の音色やアクセントの違いにより不思議な音の厚みを以って増殖して行く━━第1曲の冒頭など、まるでブルックナーの亡霊でも現われて来たような錯覚に陥ってしまう面白さもある。

 そしてグリゼーの作品では、豊かな倍音が生み出す多彩な音色が耳を惹きつけるが、終結近くでは、奏者たちが譜面をガサガサと音を立ててめくったり、楽器をいじったりする物音たちがホワイト・ノイズ的効果を生み出して行く。その「雑音」のざわめきの中に照明が絞られて行き、最後は打楽器奏者独りにスポットが当てられ、彼がシンバルを両手に振りかざして最後の一撃を?と思わせた瞬間にステージは暗転して沈黙、場内には期待を裏切られた(?)聴衆の笑い声だけが残る━━という洒落た幕切れであった。

 なお、プログラム冊子に掲載された沼野雄司さんの解説は、「現代音楽の解説」ではありながら極めて解り易く、有益なものだった。

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