2019-06

2019・3・16(土)角田鋼亮指揮仙台フィルハーモニー管弦楽団

    日立システムズホール仙台・コンサートホール  3時

 午前11時20分発の「はやぶさ」で仙台に向かう。
 前項のセントラル愛知響の常任指揮者に抜擢された角田鋼亮の指揮を、今日は仙台フィルとの演奏で聴く。彼は、昨年4月からこの仙台フィルの「指揮者」でもあるのだ。

 これは彼の仙台フィル定期デビュー(2日目)だそうだが、そのために彼自ら選んだプログラムはなかなか凝ったもので、第1部がバッハ~エルガー編の「幻想曲とフーガ ハ短調BWV537」と、バッハ~バントック編の「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえ」、およびブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」、第2部がシューマンの「交響曲第2番ハ長調」という構成だった。

 プログラミングのコンセプトについては、マエストロ自身がプレトークで解説していたが、飯守泰次郎常任指揮者がシーズン・テーマとして打ち出している「ベートーヴェン」の他に、ドイツ3大B、「ヴァリエーション」の伝統、ブラームスの「変奏曲」における古きパッサカリア、シューマンの「2番」におけるバッハとベートーヴェンへの憧憬、等々━━詳細は省くが、なるほどと思わせるような「隠しテーマ」(?)がいくつも含められている。気鋭の指揮者の、すこぶる気負った定期デビューと言ってよいだろう。

 その彼が仙台フィルを指揮してつくり出した実際の演奏は、満々たる気魄に富み、しかも整然として折り目正しい構築性を備えていた。最初から最後まで、極めて生真面目な表情にあふれていた、と言っていいかもしれない。作品群の性格からして、それもあり得るだろうし、またそれらを貫くコンセプトからすれば、むしろ当然の成り行きだろう。
 この場合、シューマンの「第2交響曲」には、「精神性の病に陥った音楽家の苦悩の叫び」などという側面は表に現われず、むしろドイツ・ロマン派の大作曲家が抱く古典へのオマージュ」といった側面が浮き彫りにされる。そしてその演奏は、実際に説得性を持っていた。
 ただその一方、そのシューマンにしても、あるいはブラームスにしても、力み返った勢いだけでなく、個所によってはもう少し寛ぎや安息、微笑み、といった要素も欲しいように思われる。

 神谷未穂をコンサートマスターとする仙台フィルは、今回も瑞々しい演奏を聴かせてくれた。特にシューマンの「2番」は、立派な演奏だった。ただこれも、他の曲も含めて、あまりガリガリと激しい音を出すのではなく、小ぶりのこのホールの特性に合わせた、もう少し柔らかくあたたかい、「綺麗な音」を目指すようにしては如何かなとも思うのだが━━。

 夜、「やまびこ」で帰京。

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