2019-04

2019・3・15(金)スワロフスキー指揮セントラル愛知交響楽団

     愛知県芸術劇場 コンサートホール  6時45分

 チェコの指揮者レオシュ・スワロフスキーは、かつて東京都響を指揮して、実に味のある「売られた花嫁」を聴かせてくれたことがある(2010年7月19日)。

 彼はこの5年、セントラル愛知響の音楽監督を務めていたが、今日がその在任時代の最後の定期公演なのだった。3年前に彼が指揮したドヴォルジャークの「スターバト・マーテル」は聞き逃してしまっていたので、今回はぜひ聴いておきたいと思ったのである。
 それに、このオケもしばらく聴く機会が無かった。前回聴いたのは2014年9月28日、トリフォニーホールにおけるオペラ「白峯」での演奏だったし、本拠地の名古屋で聴くのは2011年9月2日、しらかわホールにおける山田和樹(当時は彼も未だ「新進」だった!)が指揮した演奏会以来なのだ。

 今日は、スメタナの「わが祖国」全曲という、いかにもチェコの指揮者らしい、かつ日本のオーケストラとの仕事における総仕上げに相応しい作品だった。そして事実、期待を裏切らない、情感の豊かな、温かい演奏だったのである。
 「モルダウ」であの有名な主題が最初に登場した際、郷愁をたっぷりと湛えて、本当に美しい曲だなと感じさせるのは、チェコの名匠のみが為し得るワザとも言ってよいだろう。

 セントラル愛知響も、それによく応えていた。「モルダウ」の月光の場面でのフルートのゆらめき、「シャールカ」でのクラリネットの訴え、スティラート軍兵士たちの祝宴が佳境に入って行くくだりの弦のリズム、あるいは「ターボル」から「ブラニーク」にかけての緊迫感と追い込み━━などなど、なかなかの魅力にあふれていた。
 唯一、休憩後の「ボヘミアの森と草原から」の冒頭部分では、それまでの演奏にあった瑞々しさが何故か薄らいでしまっていた感があったが、間もなくそれも持ち直して行った。

 この「わが祖国」全曲を、郷土的な懐かしさを感じさせるいい曲だ、と感じさせてくれるような演奏は、世には必ずしも多いとは言えない。だが、今日のスワロフスキーとセントラル愛知響の演奏は、私には大いに愉しめたのである。コンサートマスターは島田真千子。

 スワロフスキーは、4月からは名誉音楽監督になる。新しいシェフには、これまでこのオケの「指揮者」だった若手の角田鋼亮が、常任指揮者に昇格して務めることになっている。
 8時半過ぎ終演。一度帰京。

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