2019-05

2019・2・16(土)下野竜也指揮東京シティ・フィル

      東京オペラシティ コンサートホール  2時

 オッフェンバックと、スッペとのあいだにシェーンベルク(!)を入れるという、奇想天外のプログラム。

 オッフェンバックの「天国と地獄」序曲で幕を開けたあとに、いきなりシェーンベルクの「ヴァイオリン協奏曲」(ソリストは南紫音)が続き、休憩後にはスッペの「ウィーンの朝・昼・晩」「怪盗団」「美しいガラテア」「軽騎兵」の各序曲が演奏されるという具合である。定期公演だが、いかにも下野竜也らしい選曲だ。

 しかもその「天国と地獄」序曲といい、彼が広響などで盛んにやっているスッペの序曲集といい、実に開放的で明るくて愉しい指揮と演奏である。シティ・フィルもたっぷりした大音響で、躍動感いっぱいに鳴り渡る。

 この陽気なパーティの中に、突如として恐怖の怪人が出現する━━といったイメージを生むのが、シェーンベルクの協奏曲だ。
 だがこの怪人、意外にソフトな物腰なので、そのサウンドがいかにも多彩に柔らかく、違和感も抵抗感もなくこちらの耳に飛び込んで来る。この選曲配列は、まさに鮮やかだった。とはいえ長大なこの協奏曲、南紫音の瑞々しい、正面から取り組んだ叙情美の豊かな演奏と、下野とシティ・フィルの豊麗な演奏の中で、やはり手強い作品の本性を次第に現わして来る。
 ともあれ、先頃のコパチンスカヤと大野&都響のものとはまた違った快演で、聴き応え充分のものがあった。

 休憩後にスッペの序曲集が開始されると、音楽には一気に解放感が拡がり、まるで運動会のような愉しい雰囲気が満ちあふれる。改めて聴くと、なかなかいい曲である。しかし、所詮は同じような性格の序曲なので、それも4曲目に入ると、いかにおなじみの「軽騎兵」といえど、ちょっと多いかなという気にならないでもないが━━。

 アンコールでは「天国と地獄」序曲の最後の陽気なギャロップが演奏され、途中からは下野やコンサートマスターの戸澤哲夫らが指揮台周辺で猛烈に踊り狂う、というおまけもついた。

コメント

尖ったプログラム

お疲れ様です。
昔、尖っていた頃の岩城宏之が、メシアンの「クロノクロミー」とチャイコフスキーの第4交響曲を並べて、「チャイコフスキー目当ての客にメシアンを聞かせ、チャイコフスキーが嫌いな人は、メシアンで帰ればいい。こんな親切はない。」と言い放って、周りの評論家連に、「それは親切ではない。」とたしなめられていたのを思い出したが、今日のプロもそんな感じ。プログラムビルディングの大変さは分かるが・・。
演奏自体は充実していて楽しめた。
ついでに言えば、楽員によるプレコンサートも、クライスラーの弦楽四重奏曲というやや尖ったもの。

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