2019-04

2019・2・9(土)川瀬賢太郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団

       横浜みなとみらいホール 大ホール  2時

 朝の「はやぶさ」で帰京。普通なら、東北新幹線で北へ向かって行くうちに窓外は雪景色に包まれて行く━━というところなのに、今日は逆だ。雪のない仙台をあとに、新幹線が南の東京に近づくにつれ、外は次第に銀世界に変わって行く、という、何だかわけの解らぬ体験をする仕儀と相成った。

 昼過ぎ、横浜に向かう。神奈川フィルの定期演奏会である。第1部では、藤村実穂子をソリストに迎えてのマーラーの「リュッケルトの詩による5つの歌曲」が、第2部ではハンス・ロットの「交響曲第1番ホ長調」が演奏された。マーラーとロットの作品を並べるとは、すこぶる意味のある、しかも意欲的なプログラミングといえよう。コンサートマスターは崎谷直人。

 藤村実穂子の歌唱は、以前より少し声質が軽くなったのかな、という印象もあったが、相変わらず深い味を湛えて素晴らしい。特に後半、「真夜中に」と「われはこの世に忘れられ」(今日はこの順番で演奏された)における情感の豊かさは、彼女の円熟を物語るだろう。
 そして川瀬賢太郎と神奈川フィルが彩る背景のオーケストラの音色の豊麗さも、印象に残る。川瀬が常任指揮者になって以降、神奈川フィルの音には、こういう「豊かさ」が加わって来たようである。

 ハンス・ロットの交響曲は、変な曲だが、面白い。川瀬の入魂の指揮のもと、神奈川フィルは大熱演を繰り広げた。特に終楽章は渾身の昂揚で、あのブラームスに似て非なる野暮ったい旋律の主題が盛り上がって行くあたりも、なかなかの熱狂の演奏であった。これで金管群が安定し、大切な個所でそれらのソロが美しい調和を生み出せるようになれば、と思う。第4楽章で長時間叩き続けたトライアングル奏者は、お疲れさまでした。

 なおこの日は、夜の渋谷でもパーヴォ・ヤルヴィとN響が同じハンス・ロットの「第1交響曲」を演奏するという巡り合わせになっていた。終演後、そちらに回るという知人も少なくなかったようだ。そんなに演奏の機会の多くない曲が、同日にかち合うというのも不思議な話である。

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