2021-06

2019・1・21(月)クシシュトフ・ヤブウォンスキ ピアノ・リサイタル

    東京オペラシティ コンサートホール  7時

 日本・ポーランド国交樹立百年を記念する「ポーランド芸術祭2019 in Japan」のオープニングコンサートとして行なわれたのが、このヤブウォンスキのリサイタル。曲目は全ショパン・プログラム。当初発表のものと多少変更にはなってはいたが、所謂メインストリームの名曲ばかりによるものだ。

 ヤブウォンスキの演奏は、とにかく柔らかい。近年は、ポーランドの若手にしても、とかく攻撃的なショパンを弾く人が多いようだが、彼のそれには、全体にまろやかな響きがある。もちろん最強奏では充分な力感を発揮するが、それでも決して「ぶっ叩く」ような演奏はしない。それだけに心安んじて聴けるショパンということにもなろうが、ただ時には、それが物足りなく感じられることがないではない。

 たとえば、第2部で演奏された「スケルツォ第2番」では、いかにも音に丸みがあって、刺激的にならぬ温かい情感も聴かれ、澄んだ叙情味が顔を覗かせる個所では、一瞬ドビュッシーを連想させるような表情も現われるほどだ。しかし、低音の強いアクセントが、突き上げるように追い上げつつ和声構築を変えて行くような個所でも、ヤブウォンスキは全体を丸い響きにしたまま、流れるように移調を続けて行く、とでもいったような演奏を聴かせるのである。このあたりが、少々メリハリを欠くようにも感じられて、物足りない思いにさせられる、というわけだ。

 そんなわけで、第1部での「革命」や「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」などでも、それなりの壮大なスケール感は充分ではあったものの、何か一つ刺激に乏しい感を拭えなかった、という印象がある。もっともこれはあくまで、私個人の好みの話である。

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