2019-06

2018・12・23(日)バッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」

      サントリーホール  3時

 鈴木雅明指揮のバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)が演奏するヘンデルの「メサイア」は、以前にもこのサントリーホールや軽井沢の大賀ホールで聴いたことがある。

 今回はソプラノに森谷真理、アルトに藤村実穂子が参加するということもあって、聴きに行ってみる。この2人、歌唱の様式がBCJのそれとはかなり違うような気もするけれども、まあ、それはそれ。
 しかし藤村実穂子の深々としたアルトの声が、たとえば第20番の「彼は蔑まれ、人々に見捨てられ・・・・」のアリアなどでは恐ろしいほど悲劇的な情感を生み出し、果てしない深淵に聴き手を引き込んで行くところなど、聴き慣れた「メサイア」とは全く趣が異なっていて、すこぶる興味深かった。これはもう、カウンターテナーの声では出せぬ凄味というものであろう。
 その他のソロ歌手陣は、テノールがザッカリー・ワイルダー、バスがベンジャミン・べヴァン。

 管弦楽と合唱は、若松夏美をコンサートマスターとするおなじみのメンバーが顔を揃えたオーケストラ、それに18人編成による合唱。チェンバロに鈴木優人も加わっている。
 その演奏は極めて緻密で、見事だ。流れるように柔らかく、温かい息づきと起伏感を備えており、快い。前出のアリアのあと、「彼」のもたらした平安の喜びが歌われる第21番から23番にかけての部分で、合唱とオーケストラが緊迫したテンポでたたみ込み、盛り上がって行くあたりは素晴らしい。鈴木雅明の指揮は、実に鮮やかであった。

 アンコールには「きよしこの夜」が、最近発売されたCD(BIS-KKC4148、「BCJのクリスマス」)にも入っている鈴木優人の編曲版で演奏されていた。
 20分の休憩を含み、終演は5時55分頃。会場は満席。

 これはサントリーホール主催の演奏会だが、ホテルオークラとのタイアップによるクリスマス特別ディナー(7時よりオークラのアスコットホール)付セットという企画もあった由。席数限定のディナー付S席は24,000円(一般のS席は9,000円)だそうで、どのくらいの申し込みがあったかまでは聞かなかったが、参加した人たちにとっては、きっと幸せなクリスマスだったろう。

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