2020-05

2018・12・5(水)ドイツ・グラモフォン創立120年スペシャル・ガラ
小澤征爾、ムター、サイトウ・キネン・オーケストラ

     サントリーホール  7時

 小澤征爾が、アンネ=ゾフィー・ムターをソリストにサイトウ・キネン・オーケストラを指揮し、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」を演奏━━3者の協演は、演奏会の最後に置かれたこの1曲だけだったが、それでもこの演奏はこの日のハイライトであり、これだけでも今日の演奏会としては充分とさえ思えるような、豪華な雰囲気をつくり上げていた。

 何しろ、小澤征爾が指揮しはじめるだけで、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏が一瞬にして引き締まり、瑞々しい音色と緊迫感に富む表情に変わってしまう。いや、オケだけでなく、ムターまで顔つきも演奏の精密度も別人のように引き締まってしまうのである。
 ともあれ、小澤さんが元気で指揮してくれていれば、それだけで聴衆は安心する。指揮台に置かれた椅子を時々使い、舞台袖との往復も腰の痛みの後遺症を示す姿ではあったが、時に小走りになってみせる歩き方などは、昔に変わらぬ若々しい気魄を示すものであった。

 なお、ムターが登場したのは演奏会の第2部のみ。自らの弾き振りでバッハの「ヴァイオリン協奏曲第2番」を演奏、次にディエゴ・マテウスの指揮とともにベートーヴェンの「ロマンス第1番ト長調」を演奏した。
 そしてマテウスは、第1部でもチャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」からの「ポロネーズ」と、「交響曲第5番」とを指揮した。彼はこのオケを既に何度か振っている━━今年夏にも指揮しているが、私が聴いたのは2011年のチャイコフスキーの「第4交響曲」以来かも━━けれども、今日はすこぶる情熱的な指揮とはいえど、勢いに任せた演奏という印象がなくもない。

 今日は第2部のみ、天皇・皇后両陛下が臨席されていた。こちらも同じRB席をあてがわれていたので久しぶりで間近に拝見したが、このホールの2階席の階段の段差はかなり大きいので、座席との往復には苦労なさったのではないかと思う。

 この演奏会は、ドイツ・グラモフォン創立120年云々と謳われていた。ただし、主催のグラモフォン(共催はユニバーサル・ミュージックとサイトウ・キネン財団)は、それを一般客に向かってことさら強くアピールする雰囲気はなく、いわゆるお土産袋(?)を配るわけでもなかったようである。
 ただし、パーティに出席する特定の招待客に対しては、かなり手厚いもてなしがなされていたようで、場内アナウンスは何度も「VIPの皆様は・・・・をお受け取り下さい」と繰り返していた。「日頃のご愛顧」についての考え方にもいろいろあるらしく━━。

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