2021-06

2018・11・26(月)大友直人指揮群馬交響楽団東京公演

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 来年3月で音楽監督の任期が終了するという大友直人指揮による東京公演。今日のが終ると、残すは来年3月17日の公演(トリフォニー)のみとなる。
 今日のプログラムは極めて個性的だ。前半に芥川也寸志の「交響管弦楽のための音楽」、團伊玖磨の「管弦楽幻想曲《飛天繚乱》」、黛敏郎の「饗宴(バッカナール)」という、戦後の日本音楽界に新しい息吹をもたらした「3人の会」の巨匠たちの特集である。

 誰かも言っていたことだが、最近の日本のオケは上手いので、昔聴いた時よりも、作品の良さがよく解るようになる、と。私も近年、そういう思いを新たにしているところだ。
 たとえば今日の3曲にしても、如何に精緻で色彩的なオーケストレーションを備えていることか。それが、大友と群響のヴィヴィッドな演奏のおかげで、明確に認識できる。芥川の「交響管弦楽のための音楽」など、1950年代半ばにラジオで聴いた時には、取っ付き易いけれども何だか薄っぺらな音楽だな、という気もしたくらいだが、それは単に当時のオケの鳴りの悪さと、録音の不備などに原因があったからに過ぎず、作品の所為ではなかったのだ、ということを思い知らされるのである。

 後半はガラリと変わって、千住明のオペラ「滝の白糸」からの第3幕(裁判の場面が中心)が、演奏会形式で取り上げられた。この全曲は大友直人みずからが指揮して初演したもので、私も2014年2月16日に新国立劇場中劇場での彼の指揮による東京初演を観たことがある。群響との東京公演では序曲を演奏しただけ(2017年3月19日)だったので、任期満了直前の今、どうしてもせめてひとつの幕だけでも群響と東京で演奏したかったのだろう。

 今日も初演時と同じく、中嶋彰子がヒロインの白糸を、高柳圭が村越欣也を、清水那由太が南京出刃打ちを歌った。ただし、村越欣也の母親役には、今回は金子美香が起用されていた。その他にも、出番は短いものの声楽ソリスト7人、さらに大編成の群馬交響楽団合唱団をも参加させるという、非常に大がかりな東京公演であった。
 声楽陣は脇役に至るまで大いに健闘したが、それぞれの配置の位置の関係や、ホールの豊かな残響の所為もあって、必ずしも歌詞が明確に聴き取れたとは言い難い。むしろ、オーケストラの叙情的な色合いが浮き彫りにされていたことの方が印象に残る。
 群響(コンサートマスターは伊藤文乃)が充実した演奏を聴かせてくれたのは喜ばしい。

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