2021-06

2018・11・20(火)浜松国際ピアノコンクール第3次予選第2日

      アクトシティ浜松中ホール  10時

 2日目の出場者は、アンドレイ・イリューシキン(露)、今田篤(日)、イ・ヒョク(韓)、梅田智也(日)、ブライアン・ルー(米)、ジャン・チャクムル(土)の6人。

 最初のイリューシキンは、モーツァルトの「ピアノ四重奏曲第1番」ではむしろ優美な表現を狙っており(特に第3楽章など)それは好ましかったが、ブラームスの「6つの小品」やスクリャービンの「幻想ソナタ」では沈潜しきって遅いテンポに浸りきり、曲想の性格もあって著しく沈潜した雰囲気。
 プログラムの演奏時間ももともと長く、このまま演奏が続けば15分近くの時間超過は確実と思われた切れ目のところで、審査委員長からベル(チリンチリンという鈴)を鳴らされてしまった。ただし聞くところによれば、かりにベルを鳴らされても、審査には影響しないとのこと。

 続く今田篤は、他の人よりは速いテンポで爽やかにモーツァルトの「1番」を開始、それまでのホール内の重苦しい(?)空気を解放したという良さはあったが、反面、演奏にコクのない感も。シューベルトの「楽興の時」にしてもプロコフィエフの「ソナタ第7番」にしても、きれいに仕上がっているものの淡白で控えめで、どことなく平板に感じられてしまうという、いかにも日本人的な特徴の演奏ではあった━━。このシューベルト、自己陶酔のままに終ったようである。

 昼休みの休憩を取った午後の一番手は、韓国のイ・ヒョク。こちらは対照的に、煌く音の持主だ。モーツァルトの「第2番」ではアンサンブルのつくりも優れ、弦への受け渡しも流れよく(特に第1楽章)、ふくよかな響きが聴き手を惹き付ける。「くるみ割り人形」(プレトニョフ編)とアルカンの作品でも輝かしい音色で躍動した。18歳の若さながら、これは有望株だろう。ただし持ち時間を6分オーバー、未だ曲は続くはずだったので、これもベルを鳴らされてしまった。

 4番手の梅田智也のモーツァルト(第1番)を聴いたところまでで、とりあえず「第3次予選」は失礼した。浜松4時11分発の「ひかり」で東京に引き返し、サントリーホールへ向かう。

※夜になって、3次予選通過者(本選出場者)6人の名がコンクールのサイトに公開されていた。本選出場は、務川慧悟、安並貴史、牛田智大、今田篤、イ・ヒョク、ジャン・チャクムルの由。日本人が4人も残るのは、このコンクールとしては初めてではないか? 本選は今週金曜と土曜に行なわれる。
 ジャン・チャクムルの演奏は聴いていないので何とも言えないけれど、私が聴いた範囲で言えば、牛田とイ・ヒョクのどちらかが優勝候補、続くのが安並━━ではないかと予想するのだが、さて当るや否や。

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