2021-06

2018・10・10(水)「ゲゲゲの先生へ」

     東京芸術劇場プレイハウス  7時

 前川知大のオリジナル脚本と演出。
 題名を見れば一目瞭然、あの水木しげるへのオマージュとして、「自然」と「愛」への憧れが全体のモティーフとなっている戯曲である。強欲な人間どもと、悪戯者だが本来の性格は悪くない妖怪たちとの葛藤を通じ、生きることの幸福とは何かということなどが描かれるのも予想通り。
 主演の佐々木蔵之介が演じるのは「半妖怪」の、「ねずみ男」をモデルにした「根津」という男だ。共演は白石加代子、松雪泰子、手塚とおる他。2時間休憩なしの上演。

 私も子供の頃はかなりの幽霊信者で怖がり屋だったが、それは特に小学校低学年の時に、家にあったたくさんの怪談本を読み漁ったせいもあるだろう。そのせいで、床の間や部屋のどこか一角が、夜な夜な幽霊の出入口になっているのだと想像してみたり、誰もいない真っ暗な奥座敷の方から突然ピアノの激しいグリッサンドが聞こえるのではないか(それは下行音でなくてはならない)とか、いきなり物凄い顔をした女が現われるのではないかとか想像したり、ラジオの怪談ドラマを聞いては怖くて布団をかぶったりと、━━つまり想像力にかけては人後に落ちない子供だったので・・・・。
 「ゲゲゲの鬼太郎」も、テレビのアニメでなく、本で読んだ世代である。本の方が、周囲に静寂が立ち込めているので、余計に怖い。

 ただし今回のこの戯曲は、世相風刺的、喜劇的、かつ妖怪哲学的な内容で、全然「怖く」ない。それはそれでいいとしても、台詞運びとドラマの進行が少々くどいので、些か退屈してしまった。登場キャラに重ねたという「水木ワールド」の性格があまり明確に感じられなかったこともその一因ではなかろうか。
 今月21日まで上演。その後、11月23日までの間に、松本、大阪、豊橋、宮崎、北九州、新潟でも上演予定の由。

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