2020-04

2018・9・25(火)サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団

     サントリーホール  7時

 東京2日目の今日は、前半に女性作曲家ヘレン・グライム(1981年生)の「織り成された空間 Woven Space」という大編成の作品、後半にマーラーの「交響曲第9番」というプログラム。

 グライムの「織り成された空間」は、現代造形美術家ローラ・エレン・ベーコンの作品にイメージを得た題名である由。
 このベーコンの作品の写真はネットでも見ることが出来るが、「柳の細い枝を編んで作った長い《壁》を曲がりくねらせ・・・・庭園内の古木の隙間にはめ込む」(プログラム冊子掲載資料、西久美子訳)という表現そのまま。見た感じを手近なものに喩えれば、大きなタタミイワシか大盛のざる蕎麦みたいなもの(?)を連想させる。

 そのイメージと、このグライムの音楽がどう関連するかは。聴き手の感性にもよるだろう。大編成のオーケストラを緻密かつ華麗に紡ぎ上げ、打楽器や金管による鋭いアクセントを随所に導入して色彩的な刺激感をつくり出すという手法の中で、全曲の核となっている長い第2楽章(中間楽章)の、特に後半における多彩な音色の変化は確かに印象深いものだった。
 ただ、この手法が第3楽章に至ると少々単調に感じられて来るというのも、正直なところではあるが━━。
 20分程度の作品だが、些か疲労感を覚えたことを告白しておかなければならない。

 後半のマーラーの「第9交響曲」は、今回のツアーのプログラムの目玉商品的存在と言っていいものだが、ちょっと期待が大きすぎたかなという印象と、ラトルも未だ若々しくて血気旺盛、達観の境地までには未だかなり時間があるという印象が交錯した演奏であった。
 因みに彼は、2011年11月22日にベルリン・フィルとサントリーホールでこの「9番」を演奏している。だがその時の日記を読み返してみると、今日の演奏に対する印象とほとんど同じ━━何から何までというわけではないが、まずそれにほぼ近いほど━━であることに驚いた。異なる点は、オーケストラの響きということだけかもしれない。
 いずれにせよラトルは、やはり今も若々しい、ということになる。

コメント

東条先生、こんにちは。私も25日、聴きました。マーラーの第9番、私も楽しみにしていたぶん、満足ではあるけど予想通りという感覚。随所に現れる弱音の箇所のこまやかな表現は印象的でした。

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