2019-09

2007・5・25(金)下野竜也指揮新日本フィルハーモニー交響楽団

    すみだトリフォニーホール  7時15分

 珍しいプログラムが組まれた。オッフェンバック(実際にはカール・ビンダー編曲の)「天国と地獄」序曲は、その性格からして定期公演で取り上げられるのが珍しい。物凄く音が厚く、あたかもグランドオペラの快活な序曲といった調子で演奏されたが、それが3階バルコン席で聴いたためなのかどうか。
 ラインベルガーの「オルガン協奏曲第2番」(ソロは小林英之)もきわめて重厚に聞こえた。休憩後のラフの交響曲は異なる印象を得たから、それらの音の厚さは意図されたものだったと思うことにしよう。なお、後者はあまり面白くない曲だ。

 ヨアヒム・ラフの交響曲第5番「レノーレ」(全曲は日本初演)は聴きものであった。
 1872年の作といわれるが、作風からすると前期ロマン派のカラーが著しく、ウェーバーやメンデルスゾーンの影響がそこここに感じられる。ただ、旋律は豊富にあるが、どれもそれほど耳を惹きつけるほどのものではない。第2楽章の旋律もはなはだ不器用なものだろう。
 第3楽章の行進曲は軽やかで面白いが、中間部には「夏の夜の夢」を思い出させる箇所もある。第4楽章には怪奇な、幻想的な迫力がある。

 この一見とらえどころのない長大な作品(50分以上かかる)をうまくまとめた下野の力量はなかなかのものだ。行進曲での漸弱の呼吸は見事だし、第4楽章でのメリハリも充分。最後のコラールに入る前、もう少し絶望に突き進むような激しい盛り上がりがあればもっと劇的だろうし、最後の和音で木管のピッチが合っていればもう少し感動的になったろう。

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