2019-09

2007・5・17(木)小澤征爾指揮ウィーン・フィルのマーラー「復活」

    ウィーン国立歌劇場  8時

 前日、ウィーンに入る。

 客の半分は日本人ではないかと思われるほどだ。私の席の周辺にも、ズラリと日本人グループがいる。
 今回入手できた席は、前から5列目だ。オペラならいいけれども、オーケストラ演奏会では、こんな位置では音楽のバランスなどさっぱり判らない。しかも、ただでさえドライなアコースティックの歌劇場だ。オーケストラの量感などは全く味わえない。
 とはいえ、演奏にはある種の緊張感があって、クライマックスでの高揚など、充分に聴きごたえがあったという気がする。両端楽章のテンポは速めだし、表情も相変わらず直截。彼のオペラよりは遥かに良かったことは間違いないだろう。

 終演後に、現地のジャーナリスト、山崎睦に案内されて楽屋を訪れたが、客は日本人の「知り合い」ばかり。かつて小澤の終演後の楽屋といえば、世界の有名なアーティストやマネージャーが殺到していて、私など近づけないほどだったのに、これはどうしたことか。これが、ウィーンでの小澤の状況なのだろうか。音楽監督ともあろう人の楽屋がこういう状態なのか。
 山崎の表現によれば、最近はいつもこんな状態だとのこと。そして、彼がこれまで振ったモーツァルトやシュトラウスのオペラがことごとく不評で、特にダ・ポンテ三部作での失敗は致命的だとのこと。さりとて彼が得意とするレパートリーはウィーン国立歌劇場のレパートリーとなる種のものではないので、結局来季のように、チャイコフスキーのオペラを、それもわずか1本だけ指揮する程度のことになってしまうのだと。

 だから言わないことではない。小澤さんはウィーン国立歌劇場などという古い伏魔殿のような場所に来るべきではなかったのだ。
 彼が同歌劇場の音楽監督になると発表された時、私は「音楽の友」の鼎談などで、「アニキ、何ちゅうことをするんだ、という気持だ。彼のレパートリーから言って、彼はウィーンには向いていないのだ。パリとか、フランスの歌劇場なら成功間違いなしなのに」と嘆いたことがある。それでももしかしたら・・・・と仄かな望みを抱いていたのは事実だが、やはり不幸にしてその予感は的中してしまった。
 われわれの愛するスーパースターが、ウィーンでこんな立場に追い込まれているのを見るのは、本当に辛い。いても立っても居られないような気持である。

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