2019-09

2007・5・10(木)アレクサンドル・ドミトリエフ指揮日本フィル

    東京オペラシティ コンサートホール  7時

 前半はモーツァルトの「魔笛」序曲と「交響曲第36番《リンツ》」。
 分厚い音ながら非常に引き締まった整然たる構築で、どっしりと重厚な安定感もあり、内声部を含めてよく響く。最近ではほとんど聞けなくなったタイプのモーツァルトだ。
 ただそれは、最初のうちは小気味よい気持に浸らせてくれるが、ドミトリエフの指揮が終始イン・テンポで、かつ同じような表情で進むため、次第に単調さを感じてしまうようになる(ドミトリエフはサンクトペテルブルク響を指揮しても音色が単調で面白くない人だ)。

 こういう指揮者が、エリック・ハイドシェックのようなピアニストとコンチェルトをやったら、どうなるか。
 今日はベートーヴェンの「2番」が演奏されたが、思い切りルバートを多用して伸縮自在の音楽をつくるハイドシェックと、どうあっても自分のイン・テンポを曲げないドミトリエフとの協演は、けだし珍品であった。
 ハイドシェックのルバートに合わせられる指揮者など、滅多にいないだろうから、オーケストラを左手、ピアノを右手と考えれば、理屈では所謂ルバート奏法ということになるわけだが━━所詮音色の違いは争えず、アンバランスの極み。しかし、指揮者もソリストも不思議にすこぶるご機嫌の様子であった。

 最後はチャイコフスキーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」。これはドミトリエフの本領発揮━━のはずであったが、ここでも彼の音楽の表情の単調さが、物語性を薄めてしまう。
 日本フィルは、全体としては悪くない。

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