2019-05

2007・6・30(土)パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管

     東京オペラシティ コンサートホール  6時

 アントニオ・パッパーノが、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団を指揮して、「イタリア系」の曲を指揮。実に豊麗艶麗、開放的な明るい音色で活気あふれる見事な演奏を披露した。これまで聴いた中で、今回が最も水を得た魚のような演奏になっていたのではなかろうか。

 ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」の冒頭から、艶のある弦がはじけて魅了する。吹き上げる金管の痛快なこと、なるほどこれはローマの雰囲気そのものの曲だと初めて認識した次第。

 続くはパガニーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」。これほど活気のあるオーケストラ・パートの演奏は滅多に聴けまい。
 このオーケストラのパワーに対し、庄司紗矢香が一歩も退かず応戦して大拍手を浴びた。このところ日本のオーケストラとの協演では妙にバリバリ弾きまくるような印象を与えていた彼女だったが、それがこのアクセントの強い華麗な音色のオーケストラとの演奏になってみると、実に自己主張の明確な、生々しい感情の迸り出る音楽となって聞こえるのには驚嘆した。
 これだけダイナミックに躍動しながらも、その演奏は決して粗く弾き飛ばしていない。どの音符もきちんと整理され、寸分の隙もない。彼女は本当にすばらしいヴァイオリニストになったものだと思う。第1楽章があまりに鮮やかだった反面、第3楽章では若干音量が下がって音楽にパワーが不足した感があったのが惜しいか。

 パッパーノはその第2楽章のあと譜面をめくり、フィナーレに入る直前に間を取るようなジェスチュアを示したために聴衆が一息入れてざわついてしまい、この結果第3楽章冒頭のピチカートの軽快なリズムと、庄司が弾き出した弾む弱音がはっきり印象づけられなかったのも残念である。

 後半は、レスピーギの「ローマの噴水」と「ローマの松」。
 前者の「真昼のトレヴィの噴水」での全合奏の豊麗な音色、後者の「カタコンブの松」での弦の厚みのある壮麗な音色、いずれもこのオーケストラが卓越した存在であることを印象づけた。3方のバルコン席に配置された金管群も含めて、「アッピア街道の松」がこれほどバランスよく演奏された例は日本では稀かもしれない。危惧されたこのホールの音響上の制約に対しても、彼らは実にうまく対応していた。
 アンコールには、プッチーニの「マノン・レスコー」間奏曲と、更にロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲からの「スイス軍隊の行進」。

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