2009-11

10・10(金)キエフ・オペラ(ウクライナ国立歌劇場)
「トゥーランドット」

  オーチャードホール

 ソフィア国立歌劇場は「仮面舞踏会」と「トゥーランドット」を持ってきた。そしてこのウクライナ国立歌劇場は「椿姫」と「マノン・レスコー」と「トゥーランドット」を持ってきた。
 同時期に来日した二つの東欧の歌劇場が、いずれも西欧の名作オペラのプロダクションを携えて来たというのは、勧進元の商売上の都合だったのか、それとも歌劇場側が「ウチだっていろんなのが出来る」と実力を誇示したがったためか。そういえば、かのゲルギエフも「俺たちはロシアもの以外にもたくさんレパートリーがあるんだ」とばかり、ワーグナーやヴェルディを盛んに日本で上演したことがあったし――。

 それはともかく、しかしこのキエフ・オペラの「トゥーランドット」は、すこぶるまとまりが良い。素朴だが、エネルギー充分である。
 首席指揮者ヴォロディミル・コジュハルが率いるオーケストラの鳴ること鳴ること、特にトランペットがあれだけ朗々と小気味よく吹きまくる「トゥーランドット」は、ナマの上演では、私にとっては初めての体験である。オペラは、やはりオーケストラが雄弁でないと面白くない。

 そして、それに負けぬパワーで声を轟かせたのが、題名役のテチヤナ・アニシモヴァ(座付歌手である)と、それほど人数の多くない合唱団。この合唱団は、先日のソフィアとは比較にならぬほど力強く、聴きごたえがある。リューを歌ったアッラ・ロジーナも、細い体だがよく通る声を持っていた。カラフ役(アンドリイ・ロマネンコ)があまり冴えなかったのは、先日のソフィア・プロダクションと同じ。

 演出(マリオ・コラッジ)に関しては、ごくまっとうな、シンプルな直立スタイル、という以外に形容すべき言葉は無い。舞台装置は簡略だが、これもソフィア同様、精一杯カラフルな趣向を凝らしたものであり、特に女性の衣装は妍を競っていた。
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