2020-04

2007・6・15(金)クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィル

    すみだトリフォニーホール  7時15分

 アルミンクが実に多彩な表情をオケから引き出した。ベートーヴェンの「皇帝」には、切れ味のいい、小気味よく引き締まった快さがあり、これがティル・フェルナーの細身でしなやかなソロと調和する。
 昔、エッシェンバッハと小澤がこのような演奏のレコードを出した時には、「皇帝というより皇太子」とか言われたものだが、今日ではむしろ、そういう演奏スタイルの方が主流になっている傾向がなくもないだろう。

 しかしアルミンクは、シューマンの「第1交響曲《春》」では一転、緻密なアンサンブルには拘泥せず、開放的な響きで豪壮に突き進む。こういう演奏は作品の構成上の弱さを露呈させかねないが、作曲者が意図した以上の生気と躍動を注入するのには成功しているだろう。全曲大詰での熱狂を聴くと、アルミンクは結局ここへ話を持って来たかったのかと、それまでの伏線も納得行くような気にさせられてしまう。第2楽章終結部での陰影の濃さも見事。

 1965年ルクセンブルク生れのレンツの《ミステリウム》第7曲《星(2000)》は、大編成ながら静謐な曲想で、叙情的な美しさに満ちている。とはいえ、作曲者が聴き手に希望しているという「満天の星空を思い浮べる感情」が呼び覚まされたとも言いがたい。

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