2020-07

2007・7・31(火)小澤征爾指揮の「カルメン」

    東京文化会館大ホール  6時30分

 小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト第8回「カルメン」。
 予想通りというべきか。音楽塾のオーケストラを制御するのに手いっぱいだったからか。彼の指揮は、またもや四角四面なものに戻ってしまった。テンポに変化がほとんどなく、「カルタの歌」や「ミカエラのアリア」などでは、感情の起伏の平坦さたるや、呆気にとられるほどだ。

 オーケストラが下手で、木管など味も素っ気もない吹き方だから、いっそう音楽に色彩がなくなる。5回目の公演(最終公演)でこれだから、いかに今回のオケのメンバーの水準が低いかといことになろう。
 ジョシー・ペレス(カルメン)は最初のうち生き生きしていたが、次第に声が硬くなっていったのは疲れでもあったのだろうか。ケイティ・ヴァン・クーテン(ミカエラ)は、舞台姿はいいのだが、声に妙なヴィブラートが付くのが気になる。マーカス・ハドックのホセは平凡そのもの。マリウス・キーチェン(エスカミーリョ)は、そう声量はないようだがなんとかサマになっていた。

 装置はジャン=ピエール・ポネル。だがデイヴィッド・ニースの演出の方は相変わらずで、ドラマの心理的な読み込みも通り一辺のものに止まっているのが舞台を退屈にさせた一因でもあろう(もちろん演奏のつまらなさが第一要因だが)。終幕では闘牛士はほとんど出て来ず、群衆だけが熱狂する。この群衆はジプシー連と同じキャストだろうが、恐ろしく人数が多い。
 小澤征爾のオペラは、このところ低調だ。これからどうなるのだろう?

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