2020-04

2007・7・21(土)下野竜也指揮紀尾井シンフォニエッタ東京

     紀尾井ホール  3時

 活躍めざましい下野竜也が客演。
 冒頭のベートーヴェンの《レオノーレ》序曲第1番はいかにも下野らしく強固な演奏で、小編成ながらオーケストラの音のスケールも大きい。
 ヒンデミットの《白鳥を焼く男》には清水直子(ベルリン・フィルのソロ・ヴィオラ奏者)がソリストとして登場、よく鳴る明るい音色で明快にこの渋い曲を演奏した。中世の楽士が宴会で弾いて聴かせる光景をモデルにしたものという、作品本来の意味を思い出させる演奏である。

 メンデルスゾーンの《スコットランド交響曲》は当日の圧巻で、特に第1楽章後半の「嵐」に先立つ箇所や第2楽章の後半のようにクライマックスに追い込んで行く部分で、下野とオーケストラが聴かせた緊迫感には息を呑まされるほどの強烈なものがあった。各楽器が絡み合い高揚していくシンフォニックな個所の扱いにおける下野の手腕は実に見事である。
 終楽章のコーダでは一部の管が不安定だったため演奏に画竜点睛を欠く趣もあったが、このホールでこれだけの最強奏を響かせながら音に濁りがなく、しかも躍動感にあふれた快演だったことは、紀尾井シンフォニエッタの最近の快調さを示すものだろう。今日のコンマスは豊嶋泰嗣。

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