2020-04

2007・7・18(水)マスネ:「ドン・キショット」

     新国立劇場中劇場  6時30分

 以前新国立劇場で上演されたピエロ・ファッジョーニ演出のプロダクションが、今回はラ・ヴォーチェ主催により再演された。第2幕のあとに休憩1回、ただし舞台転換にはかなり手間取っていたようである。

 題名役はロベルト・スカンディウッツィ。
 前回のルッジェーロ・ライモンディとは一長一短だが、音程のさほど明確でないところは両者同じ。しかしもともとこの役は「ボリス・ゴドゥノフ」の影響を受けていることが明らかで(かつてはチャンガロヴィッチなどが名唱を聴かせてきた)それゆえ音程を少しずらしながら歌うという手法も歌手たちの中には意識されている部分もあるはずである。

 サンチョはアラン・ヴェルヌ、大ベテランの味は出ているが、前回のミシェル・トランポンに比べると、あの豪快な迫力に欠ける。第4幕最後の聴かせどころでは、最後の言葉がオーケストラに消されて画竜点睛を欠いた。
 ドゥルシネはケイト・オールドリッチ、声量はさほどでもないが踊りは上手く雰囲気がある。アラン・ギンガルの指揮は前回同様、劇的な盛り上がりに著しく不足する。オケは前回が新星日響、今回が東フィルだが、どちらもフニャフニャの演奏で、物足りない。

 それにしても、第4幕の幕切れ場面は、相変わらず泣かせる。幕が降りたあとの真っ暗な中で、拍手が長く続いたのは前回と同様。心暖まるオペラというのはこういうものを言うのだろう。字幕の訳がもっと文学的であればいっそう客を泣かせたのではなかろうか。

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