2020-04

2018・9・1(土)セイジ・オザワ松本フェスティバル2018
ふれあいコンサートⅢ 

    ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール) 5時

 松本市内からはそれほど遠くはない距離にあるが、上下線とも概してそれぞれ1時間に1本しか電車のないようなこの大糸線の島内駅へ、お客さんもよくこれだけたくさん集まって来るものだ。もっとも大半の人たちは、クルマで来る。地方ではクルマは欠かせない移動手段である。その代わり、松本は渋滞が凄い。その原因は、クルマが多いせいもあろうが、信号のサイクルが極度に悪い、ということにもありそうだ。

 さて、セイジ・オザワ松本フェスティバルの重要な柱の一つ、室内楽演奏会「ふれあいコンサート」は、例年と同様に3回行われた。今日は第3回。
 たとえ、メインのオーケストラコンサートやオペラ上演に関し、好みの違いや考え方の違いなどから来る異論やら何やらあったとしても、この室内楽コンサートだけは、心静かに落ち着いて愉しむことができる。
 緑の木立の中に佇むホールは、抜群のアコースティックが耳と心に快い。終演後に外へ出れば、雨も上がって、空気はまさに高原の香りである。

 今日のプログラムと演奏者は次の通り。
①モーツァルトの「ディヴェルティメント変ロ長調K.Anh.229-2」 山本正治・濱崎由紀(cl)、吉田将(fg)
②ドビュッシーの「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」 篠崎和子(hp)、小森谷巧・白井圭(vn)、大島亮(va)、辻本玲(vc)
③レスピーギの「ドリア旋法による弦楽四重奏曲」 白井圭・小森谷巧(vn)、大島亮(va)、辻本玲(vc)
④ブラームスの「ピアノ三重奏曲第1番」のピアノ、フルート、チェロの編成による編曲版 ジャック・ズーン(fl、編曲)、イズー・シュア(vc)、児玉桃(pf)

 この中には、SKOのメンバーではない人も交じっているが、とにかく腕利きの顔ぶればかり。名手たちによるトリオやクァルテットだから、しっとりしたアンサンブルよりも、各自が合わせると見せつつ己の腕を競う━━などという感も時にはなくもないけれど、それもまた聴いていて楽しい演奏だ。

 最後のブラームスで、ピアノの児玉桃が深々として陰翳の濃い音楽を開始し、すぐにチェロのイズー・シュアがこれも瞑想的な、しかも強い意志に貫かれた音楽で加わって来た時に感じた快さ。これはもう至福の瞬間そのもの。
 ただこの曲、ヴァイオリンのパートがフルートになると、音量の上でも、音色の上でも、音楽の深みという意味でも、他の二つの楽器とのバランスが、おそろしく悪い。ジャック・ズーンは毎年のようにいろいろな曲をこのように編曲して聴かせてくれるが、私の好みの所為もあるだろうけれども、どうも少し無理があるのではなかろうか・・・・。

 これで、今年の私の「松本フェスティバル」は終り。
    (別稿) 信濃毎日新聞
    (別稿) モーストリー・クラシック11月号

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