2020-04

2018・9・1(土)セイジ・オザワ松本フェスティバル2018
OMFオペラ プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」

     まつもと市民芸術館・主ホール  2時

 2015年のベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」以来途絶えていた、一般公演のオペラ路線が久しぶりに復活した。

 とはいえ、上演されたのが1時間足らずのオペラ「ジャンニ・スキッキ」1本だけとは、少々寂しい。しかもピットに入っていたのは、主力のサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)ではなく、若手の小澤征爾音楽塾オーケストラだ。
 一生懸命、真剣に演奏しているし、技量もなかなかのものであることは事実だが、看板のオペラ上演にSKOが出ていないというのは、やはり寂しいし、正直言って解せないものがある。

 それでも、S席大人8000円という価格にしては、お客さんがよく入っている。ホールの客席はいっぱいに見える。おそらく、札幌のお客さんがPMFの若いアカデミー生のオーケストラに温かい愛情を注いでいるのと同じように、ここ松本に集まるお客さんは、小澤征爾音楽塾の若い音楽家たちを心から応援しているのかもしれない。

 指揮はデリック・イノウエ、演出はデイヴィッド・ニース、舞台装置はジョン・マイケル・ディーガン&サラ・G・コンリー。
 出演はロベルト・ディ・カンディア(ジャンニ・スキッキ)、アナ・クリスティ(ラウレッタ)、ほか牧野真由美、フランチェスコ・デムーロ、ドナート・ディ・ステファノ、高畠伸吾、清水多恵子ら多数。

 オーケストラもそれなりに真摯に頑張っていたし、歌手陣も精いっぱいやっていたと見えるのだが、デリック・イノウエの指揮に緊迫感と劇的な起伏と熱気があまり感じられぬことと、ニースの演出に緊密な集中性が欠け、いかにも子どもの観客向けといったドタバタ調の芝居に終始した感があることが問題だ。
 サイトウ・キネン・フェスティバルの時代から、日本のトップクラスの、いや世界の水準に達しているプロダクションをいくつも生み出して来たこの松本のオペラのシリーズともあろうものが、この程度のもので満足してしまっては、なさけない。3年前の「ベアトリスとベネディクト」だって、決して褒められた出来ではなかったのだから。これらがあくまで過渡期の現象であることを祈る。

 ただし、オペラ上演に先立ち、小澤征爾音楽塾オーケストラの若者たちが楽器紹介を行う10分ちょっとの催し物があった。それぞれの楽器を持って客席のドアから入って来て、通路などでセクションごとに簡単な、愉快な演奏をしてみせる。これは「子どものためのオペラ」上演で行なったものを一般公演でも披露してみせようという趣旨らしいが、こちらの方は、実に可愛い。

 3時15分終演。次の会場、ザ・ハーモニーホールヘ向かう。松本市内をはじめ途中の道はどこも大渋滞で、しかも折悪しく雨、土砂降りとなった。
    (別稿) 信濃毎日新聞
    (別稿) モーストリー・クラシック11月号

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/3030-c2b58fbb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」