2024-03

2018・7・31(火)小澤国際室内楽アカデミー奥志賀

     トッパンホール  7時

 7時48分金沢発の新幹線「かがやき」で帰京。なにしろここは、金沢駅が目の前だ。飛行機と違って、10分前にホテルを出れば乗れるし、荷物検査などないから、新幹線は本当に気が楽だ。

 「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の関連活動として、22年ほど前に小澤征爾が長野県奥志賀高原に立ち上げた(弦楽)クヮルテットの勉強会━━それがこの「小澤国際室内楽アカデミー」である。
 今日はその発表演奏会とでもいうべきもので、日本だけでなく、韓国、中国、台湾からも参加している19歳から28歳までのアカデミー生たちが、それぞれ組になって室内楽を演奏するという仕組だ。ベートーヴェンの「4番」と「セリオーソ」、シューマンの「1番」、ドビュッシーの「ト短調」、チャイコフスキーの「3番」の各弦楽四重奏曲、それにドヴォルジャークの「弦楽五重奏曲第2番」の中から、一つ乃至二つの楽章を取り上げている。

 とにかく、みんな上手い。すでにいろいろなコンクールなどで入賞したり、内外の音大で学んでいたりしている若者たちばかりだから、個々の水準も高い。このアカデミーで、彼らがアンサンブルをみっちりと学べるのは、大いに意義のあることだろう。
 また、今日の演奏者たちは、圧倒的に女性たちが多い。しかも、元気のいい演奏をするのも女性奏者に多いという傾向がみられるようである。私の印象では、「セリオーソ」を演奏した組と、ドヴォルジャークを演奏した組とが、活気のある音楽で好感が持てた。

 最後の方では、「サイトウ・キネン」のテーマともいうべきモーツァルトの「ディヴェルティメントK.136」の第1楽章が、全員の弦楽合奏により指揮者なしで演奏された。
 そして大トリでは、ついに小澤征爾御大が登場して、みずからベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第16番」の第3楽章(レント)を指揮。その途端に弦楽オーケストラの演奏には、とてつもない深みと力と、壮大な気宇が満ちて行ったのだった。小澤さんがすこぶる元気そうに見えたのは嬉しいことである。
 なお演奏には、アカデミーの教授でもある原田貞夫(チェロ)、川本嘉子(ヴィオラ)、ジュリアン・ズルマン(ヴァイオリン)も加わっていた。

 それにしても、今日のお客は、「身内」ばかりだったのか?

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