2018-09

2018・6・30(土)アルトシュテット指揮ハイドン・フィルハーモニー

      サントリーホール  2時

 暑いさなかに分厚いマーラーの交響曲が2日間も続いたあとでは、小編成のピリオド楽器オーケストラの演奏で聴くハイドンの作品は、あたかも清涼剤のような爽やかさに感じられる。しかも演奏が、実に素晴らしい。

 このオーケストラは、1987年にアダム・フィッシャーにより設立されたオーストリア・ハンガリー・ハイドン・フィルというアンサンブルがその前身とのこと。2016~2017年のシーズンに、ニコラ・アルトシュテットが芸術監督に就任し、名称表記も「ハイドン・フィルハーモニー」とした由。
 現在は本拠地をハイドンゆかりのアイゼンシュタットのエステルハージ城内のハイドン・ザールに置き、編成は45名だそうである。ただし今回来日したのは30名程度だ。

 今日は日本ツアー最終公演。プログラムはいずれもヨーゼフ・ハイドンの名作で、「交響曲第92番《オックスフォード》」、「チェロ協奏曲第1番」、「交響曲第94番《驚愕》」、アンコールが「交響曲第88番」の終楽章。
 アルトシュテットの生気溢れる演奏構築と、オーケストラの完璧な技術とで、極めてしっかりした、充実の演奏を繰り広げてくれた。素晴らしい指揮者とオーケストラである。

 例えば「驚愕」の第2楽章の演奏では、第16小節の例の最強奏の「一撃」だけ目立たせるのではなく、第49小節からのフォルテの個所も鋭いフォルティッシモで響かせ、5小節後のピアーノとの対比を明確にする。その他の個所でもしばしば強弱を鋭く際立たせる。
 つまり「驚愕」の意味を、単なる一発の悪戯にとどめるのではなく、楽章全体におけるデュナミークの鋭い対比として捉えているのだ。これは非常に興味深く、面白いアプローチである。

 2階ロビーには、エステルハージ家から借りて来たとかいうハイドン関係の貴重な資料が数多く展示されていた。自筆の楽譜だけでなく、ハイドンの契約書、給与明細書、領収証明書の類などまでずらりと。━━こんな面白い資料展示があるなら、もっと大きくPRすればよかったものを。
 開演前に一覧して愉しかったので、休憩時間はごった返すだろうから終演後にもう一度ゆっくり見ようと思って客席から出たら、何と、もうあとかたもなく撤収されてしまっていた。

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