2018-07

2018・6・29(金)ヤクブ・フルシャ指揮バンベルク響 マーラー「3番」

    サントリーホール  7時

 「2番」の翌日には「3番」を聴く。いずれも若手指揮者が渾身の力を籠めて取り組むマーラーだ。

 情念の翳りも無い彼らの指揮は、まかり間違えばマーラーの作品との間に肉離れを起こしてしまう危険性もはらんでいるが、しかしこの「第3交響曲」の場合は、指揮者の率直で明るいアプローチが、好ましい形で生きて来るだろう。
 このフルシャとバンベルク響、先日25日の演奏会で感じられたような、たとえば指揮者の意欲が空回りするといったアンバランスな傾向も、今日のマーラーの「3番」では、きれいに解消されていた。それゆえ今日の演奏を聴く限り、これならこのコンビもまあ大丈夫だろうな、という安心感を得たのは確かである。

 フルシャは、この演奏では最弱音のつくりに殊更に念を入れていた。それは第1楽章では成功していたものの、テンポの遅い第6楽章では、その凝りようが裏目に出て、緊迫度を薄めさせていたきらいがなくもない。
 だが概して、演奏は引き締まったリズム感で構築され、快い美しさに満ちていただろう。第6楽章の頂点も意気軒昂な力強さで決められていた。バンベルク響の、あまり器用とは言えないけれども、真摯な演奏姿勢も好感を呼ぶ。

 声楽陣では、東京混声合唱団(女声)とNHK東京児童合唱団にはやや力み返った不自然さが感じられた(指揮者の意気込みが空回りしたか?)が、メゾ・ソプラノのステファニー・イラーニのソロは清澄で好ましい。
 カーテンコールは、フルシャの人気のゆえもあって、かなり盛り上がった。

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