2018-05

2018・5・9(水)高関健指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 「新シーズン最初の定期の初めにヘンな曲を二つ置きました」と、常任指揮者・高関健みずからプレトークで語ったその2曲とは、ムソルグスキーの「禿山の一夜」の原典版と、ニールセンの「交響曲第6番《素朴な交響曲》」。

 「ヘンな曲」というのはもちろん言葉の綾だが、「禿山の一夜」のムソルグスキーのオリジナル版は確かにヘンな曲だ。こんなに雑然とした凶暴な音楽は、ムソルグスキーとしても珍しいものだろう。
 だが、現在一般に演奏されるリムスキー=コルサコフ編曲版の、あまりに整理された、それゆえ同じモティーフ群の繰り返しばかりが目に付く結果となってしまった版(最後の夜明けの個所だけは傑作だと思うが)に飽きた耳には、この原典版は面白い。但し、何度も聴こうと思えるような曲ではない。その意味では、やはり変な曲である。

 ニールセンの「第6交響曲」も、わが国ではナマで聴ける機会は滅多にない。私は彼の交響曲の中では「5番」が最も好きなのだが、この「6番」も、不思議な魅力の感じられる曲だ。
 しかしまあ、この曲の、ワルツの中に突如軍楽風マーチが割り込んで来るような突飛なコラージュ的手法の響きが、何と先ほどの「禿山の一夜」原典版の響きと、見事な対を為していることか。この2曲を組み合わせた高関のセンスは抜群と言わねばならない。

 休憩後には、清水和音をソリストに迎えて、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」が演奏された。これはもう、清水の聴かせどころである。高関も第3楽章では煽ること、煽ること。猛烈なテンポで、先を争ってコーダへ突進するかのような清水と高関=シティ・フィルの対決は、すこぶるスリリングで、愉しいものだった。
 コンサートマスターは戸澤哲夫。

コメント

集大成

お疲れ様です。
充実した演奏だった。3年間の成果と言っても良い。ある程度時間を掛ければやれる印象。団員動向を見ても少し余裕が出て来たかなと思うので、今後もこの様にお願いしたい。

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