2021-06

2018・4・27(金)カリニャーニ指揮紀尾井ホール室内管弦楽団

       紀尾井ホール  7時

 パオロ・カリニャーニが5年ぶり3度目の客演。
 プログラムがケルビーニの「アリババ」序曲、マルトゥッチの「夜想曲Op.70-2」(管弦楽編曲版)、レスピーギの組曲「鳥」、ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」(クロエ&カプレによる管弦楽編曲版)、ベルリオーズの「クレオパトラの死」という、普段のカリニャーニのイメージとは少々違う選曲なので、大いに興味が湧く。

 この中では、やはり最後のベルリオーズの「クレオパトラの死」が圧巻の演奏と言えたであろう。
 リリー・ヨルシュターというロシア出身のメゾ・ソプラノが、実に深みのある見事な歌唱を聴かせてくれた。そしてカリニャーニの指揮も劇的で、何段階かに分けてテンポを動かして行く呼吸が、次第に感情を昂らせて行くヒロインの絶望感を巧みに描き出していた。下手をすれば単調な曲になってしまう(そういう演奏に何度か出遭ったことがある)このカンタータを、かように起伏豊かに聴かせてくれたのは有難い。紀尾井ホール室内管も、この曲ではしっとりした叙情的な味を巧く出してくれた。

 だがこれに比べると、同じフランスものでも、「ベルガマスク組曲」は、「月の光」以外は何か粗っぽく、ガタガタした演奏で、洒落たセンスも芳香も感じられなかったのは、・・・・まあ危惧した通り、というか。ただしそれは、指揮者の所為だけではないように思われる。

 第1部での「アリババ」序曲は、ナマで聴く機会は滅多にない曲で、笑い出したくなるほど騒々しい曲である。昔、FM放送で「歌は終りぬ~終わり方いろいろ」という番組をつくったことがあるが、その中で「終わりそうでなかなか終わらない曲」の一例として取り上げたのがこの曲のエンディングの部分だった。
 レスピーギの「鳥」は、もう少し丁寧に演奏されればもっと美しくなる曲なのだが・・・・。
 今日は初日の演奏。コンサートマスターは千々岩英一。

コメント

東条先生、いつも拝読させていただいております。私も日フィル土曜日SHで聴きました。日フィルの合奏精度の高さを感じる名演だったと思います。各パート、素晴らしい精度でした。(私の耳には。)強いて言えば、後半の声のないリングでは、聴きどころを集めた選曲のせいか、やたらとオケ全合奏、打楽器強打の時間が多く、多少うるさ過ぎかなという感想です。LB席です。でもまあこれは、日フィルやインキネン氏のせいではないので、次回の彼の登場を楽しみにしているのは皆さんと同じです。ラザレフ氏インキネン氏も、日フィルは本当に良い指揮者探しをしています。これからも期待してます。

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