2021-06

2018・4・17(火)マリア・ジョアン・ピリス・ピアノ・リサイタル

     サントリーホール  7時

 日本のファンからこよなく愛されているマリア・ジョアン・ピリス━━その彼女も、今シーズンをもって引退すると宣言したそうなので、残念ながらこれが最後の日本ツアーになる(だろう)という話だ。
 今回のツアーは長く、N響とのコンチェルトあり、リリット・グリゴリアンとのピアノ・デュオ演奏会ありというスケジュールだが、彼女のソロのリサイタルは、今日が日本での最後のものになる。
 アンコールで弾いた「3つのピアノ曲D946」の「第2曲」が終ったあとには、満員の聴衆は、スタンディング・オヴェーションで彼女に別れを告げたのであった。

 プログラムの方は、モーツァルトのピアノ・ソナタ「第12番ヘ長調K.332」と「第13番変ロ長調K.333」、シューベルトの「4つの即興曲D935(作品142)」という、実に魅力的なものだった。
ピリスは、ステージに出て来ると、丁寧に答礼して椅子に座るが早いか、さり気なく弾きはじめ、最後までさり気なく弾く。モーツァルトのソナタも比較的あっさりしたスタイルの演奏だったが、しかしそこから生まれる精妙な運動と変容は、あっさりどころではなく、聴き手の心にあたたかく染み入って来る。

 シューベルトの「即興曲」にしても、最近の多くのピアニストたちの「これが私のシューベルト」と主張しているかのような演奏とは違い、この作曲家の音楽を穏やかに微笑みながら見守りつつ、みずからのヒューマンな語り口で演奏して行っているように感じられるのである。これこそが、長いキャリアの末に、ついに到達したピリスの美しい境地なのかもしれない。
 使用ピアノはヤマハだったが、その音色は透明で明るかった。

コメント

ピレシュさん、頻繁に日本に来日してくれてありがとうございました。

本日4月21日(土)にも、H・ブロムシュテット/NHKsoに出演するんですね。
昨日の放送は時間が空いていたので、FM放送聞きました。
ブロムシュテット健在なのも驚く後半のべト4番。ピレシュの本当に聴きたかった人が集まったのでしょう。放送アナウンスでは、満席とのこと。それもそうでしょうね。
本日土曜日の公演が文字通りの日本ツアー最終日。
 変な「どうしたらこんな反応に」なるんだ!」という反応をしない客層が発生しないことが彼女への敬意だと思います。

本人が70歳になるにあたって、「エッ!こんな辺鄙な街に来てくれるの。」
2014年3月2日(日) 彼女は富山県入善町のコスモホールに来てしまいました。
それも、日曜日に開いてくれるの。驚きました。
・シューベルト:4つの即興曲 op.90 D.899
・ドビュッシー:ピアノのために
・シューベルト:ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960
この内容で、高くても6000円と5500円。
21番。やっぱり良かったーー。
(2009年にも入善町に来ていたんですって)

(少し脱線:21番と言ったら、やはりミツコ・ウチダ ヴァレリー・アファナシエフになる。後者の人は、鬼・奇人だけど。)

2014年の来日は、久しぶりのリサイタルTourだったはず。協奏曲のみの来日だったり。室内楽(主にデュオ)のみの来日だったり。

もう古い1990年代では、ショパン ピアノ協奏曲第1番(変更後:第2番)をエマニュエル・クリヴィヌ指揮リヨンのオーケストラも覚えています。CD出した直後だったし。
オーギュスタン・デュメイとのブラームスソナタ全曲(サントリーホール) ベートーヴェンのソナタ5番・9番・10番(トッパンホールだったけ???多分違う)
前者は、CD発売後の演奏会でした。

モーツァルトをよく演奏するイメージを持った時期がバブル時代にはありました。
前回も書き込みましたが、バブル時代の第14番のシューベルトは本音で感動しました。だから極力リサイタル等は行きました。

彼女が日本Tour最後にあたって、ベートーヴェンの第4番コンチェルトを演奏する。選曲上手い。つくづく実感します。彼女は自分のキャラクターを貫いたことに脱帽。。

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