2021-06

2018・4・16(月)METライブビューイング 「セミラーミデ」

     東劇  午前11時

 先月10日のMET上演ライヴ映像。
 ロッシーニの「セミラーミデ」など、滅多に観られるオペラではない。METとしては再演もので、しかもMETのオリジナルものではないプロダクションだが、批判校訂版による楽譜が使用されている点でも、これは貴重であった。

 舞台は、いかにもグランドオペラ的なものだ。マイケル・ステネットの衣装、ジョン・コンクリンの舞台美術ともに、今ではMETくらいしか製作できないような、大掛かりなものである。ジョン・コプリーの演出も、いかにもトラディショナルなスタイルだ。
 ただし今回は、歌手陣が素晴らしさの極みである。

 とりわけ、バビロニア女王セミラーミデを歌うアンジェラ・ミードと、先王ニーノの遺児アルサーチェを歌うエリザベス・ドゥショングの声の輝かしさは圧巻だ。
 強靭でありながらまろやかな高音、巧みな歌唱と性格表現。これらを聴くだけでもこのビューイングの価値がある。

 一方、悪役アッスールを歌ったイルダール・アブドラザコフは━━奇しくも昨日東京でナマを聴いたばかり━━舞台姿は貫録充分だが、先の2人に比べるとロッシーニ特有の声の動きの細やかさを表現するには少々難があり、聴かせどころの墓場のシーンで意外に凄味を欠いたのが期待外れであったろう。他にイドレーノをハヴィエル・カマレナ、オローエをライアン・スピード・グリーン。

 指揮はマウリツィオ・ベニーニで、序曲があまりに低調なのでどうなることかと思ったが、劇的な要所では巧く盛り上げてくれる。まずは当たりはずれのない職人的手腕と言ったところか。上映時間は3時間48分と長い。

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