2021-06

2018・4・13(金)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

     サントリーホール  7時

 ロシアのバレエ音楽2つ(チャイコフスキーの「くるみ割り人形」とストラヴィンスキーの「春の祭典」)を最初と最後に置き、それらの間にポール・メイエをソリストに迎えてのモーツァルトの「クラリネット協奏曲」とドビュッシーの「クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲」を演奏するという、凝った素晴らしいプログラム。

 カンブルランのバレエ音楽に対するアプローチは━━少なくとも今日の演奏を聴く範囲では━━「踊りの音楽」というよりはむしろ、シンフォニックで色彩的な音響構築に重点を置いているように感じられる。
 「くるみ割り人形」(「行進曲」「花のワルツ」など4曲)は、チャーミングなバレエ音楽というより、壮大で、物々しい。
 一方の「春の祭典」でも、カンブルランはリズムの生き生きした躍動よりも、重厚でシンフォニックな進行と、音色のさまざまな変化を重視しながら曲を進めて行ったように思われる。とにかく、これほど「重々しくて揺るぎのない春の祭典」の演奏というのも、稀有のものではなかったろうか。もちろん、それはそれで面白いアプローチではあるが。

 この2つの巨像の間に挟まれた、クラリネットと管弦楽のための作品2曲は、ポール・メイエの美しいソロとともに、清澄だ。
 モーツァルトは整然として、管弦楽部分は柔らかく、ロマンティックな性格さえ醸し出す。そして、ドビュッシーの「狂詩曲」では、ソロとオーケストラが、「フランスの香り」を滲ませる。思えばこれが、今日の4曲の中で、最も馥郁たる香りを漂わせた演奏であった。

 読響は力演、豪演、好演。コンサートマスターは日下紗矢子。

コメント

私も13日に聴きました。春の祭典は、改めて、すごい曲だな、と。2013年ライヴ録音の、カンブルラン×読響のCDもそうですが、聴き出すと惹き付けられて、あっという間です。
とはいえ、くるみ割り人形は存外重たかったし、春の祭典も、他のコンビならどう演奏するかな、とも思いました。いろいろ聴いてみないと…。

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