2021-06

2018・4・6(金)東京・春・音楽祭 レオンスカヤのシューベルトⅡ

      東京文化会館小ホール  7時

 エリーザベト・レオンスカヤのシューベルト・ピアノ・ソナタ・ツィクルス、第2日。
 今日は「第9番ロ長調D575」、「第15番ハ長調D840《レリーク》」、「第18番ト長調D894《幻想》」の3曲。

 特に「D894」では、低音の力強さが印象的だ。それは音量のことではなく、厚い和音の響きの中で、演奏全体を支える低音の存在感が強いということである。
 彼女の演奏では、多くの場合、和音が均等に堂々と響く。腰の据わった揺るぎのない音の組み立てが見事である。このような響きをつくり出すピアニストはもちろん他にも多くいるが、彼女の場合、音が一種の翳りを帯びながら、それでいて決して重苦しくならず、力強く進んで行くのが特徴と言えるだろう。

 そういえば、彼女の師であった巨匠リヒテルがそういう感じの演奏をしていたなと思い出してしまうのだが、といってレオンスカヤがリヒテルの亜流だなどと言うつもりは全くない。リヒテルは圧倒的に屹立する巨人のように、時には近づき難いほどの厳しさを見せていたのに対し、レオンスカヤの音楽は、むしろ私たちを包み込むようなあたたかさを感じさせる。そしてその演奏は、ある意味では素朴で武骨なほど率直で、恣意的な小細工など一切排した自然さにあふれているところが、たまらない魅力なのである。

 アンコール曲の演奏がまた素晴らしい。第1日には「即興曲 作品90」第4曲が流麗に演奏されたが、今日は「3つの小品D946」の第1曲が嵐のように演奏された。

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